研究課題/領域番号 |
10307036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥山 明彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20093388)
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研究分担者 |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
高原 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70179547)
北村 雅哉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70273688)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
20,300千円 (直接経費: 20,300千円)
1999年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1998年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | HGF / 腎移植 / 拒絶反応 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
(1)タクロリムスによる腎障害に対するHGFの有効性 SHRラットにタクロリムスを投与、薬剤性腎毒性モデルを作成、これにrecombinant HGFを浸透圧ポンプにて連続投与したところ、10日後、コントロール群で血清クレアチニンの有意な上昇が認められた。さらに、組織像でもHGF投与群では遠位尿細管の空胞化といった薬剤性腎障害に特有な所見が少なく、HGFによる腎保護作用が示された。 (2)腎移植後慢性拒絶反応に対するHGFの効果 F344ラットから摘出された腎臓を両側腎摘されたLewラットに同所性に移植し、慢性拒絶反応モデルを作成した。これにrecombinant HGFを28日間連続静脈内注射したところ、コントロール群(24匹)中12匹死亡したのに対してHGF投与群では全例が32週まで生存した。コントロール群ではICAM-1、α-SMA、MCP-1、IL-6、TGF、TNF-αといった炎症、線維化を示す因子の増加が認められ、組織像でも慢性拒絶反応に典型的な所見が得られたが、HGF投与群ではあまり変化が認められなかった。 (3)HGFを用いた腎障害に対する遺伝子治療の基礎実験 HVJ-liposome法によるHGF遺伝子の導入として、筋肉内注射、尿管内注入、腎動脈からの注入が試みられたが、筋肉内注射で最も安定した成績が得られた。血中濃度で約、0.1ng/mlの発現が得られ、腎虚血モデルで3日後にタネル法にてアポトーシスの減弱が認められたが、血清クレアチニンでは両群に全く差が無く、その腎保護作用に関しては結論を見出せなかった。5/6腎摘モデルでは実験後15-25週で、HGF投与群4匹中3匹、コントロール群5匹中3匹が死亡し、全体としての評価は下し得なかった。ただ、生存個体の腎組織では、コントロール群で見られた糸球体間質の増生などがHGF投与群では抑制されているのが認められた。
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