研究課題/領域番号 |
10307040
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
茂木 五郎 大分医科大学, 副学長 (20035190)
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研究分担者 |
岡本 美孝 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40169157)
清野 宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10271032)
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 教授 (60211314)
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
川内 秀之 島根医科大学, 医学部, 教授 (50161279)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
23,500千円 (直接経費: 23,500千円)
1999年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1998年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | ワクチン / NALT / 経鼻免疫 / サイトカイン / インフルエンザ菌 / 肺炎球菌 / IgA / RSウイルス / 鼻粘膜 / 中耳粘膜 / マウス / CD4^+T細胞 / P6 |
研究概要 |
A. 実験的研究 1)NALTの粘膜免疫機能 ・経鼻免疫マウスNALTではTh1型とTh2型細胞が増加し、鼻粘膜ではTh2型細胞が優位であった。 ・ラットNALTにはM細胞が存在した。 ・パイエル板欠損マウスでも経鼻免疫により、鼻咽腔洗浄液の特異的IgA抗体が上昇した。 ・NALTは鼻腔IgA応答の誘導組織として機能することが強く示された。 2)マウス経鼻免疫による特異的IgAの誘導 ・マウスをインフルエンザ菌外膜蛋白で免疫すると、経鼻免疫群で最も強い抗原特異的IgA応答がみられ、経鼻免疫が最も有効な抗原投与法と判明した。抗原特異的粘膜免疫応答は鼻粘膜だけでなく中耳粘膜でも誘導されることが示された。 ・口内感染症の起炎菌であるBacteroides gingivalis抗原の経鼻免疫でも、鼻粘膜や唾液腺に特異的IgA応答が誘導された。 3)経鼻免疫によるウイルス感染予防 ・ワクチニアウイルスによる経鼻免疫後のRSウイルスの経鼻接種では気道の炎症反応が軽微で、抗体の経鼻投与でもウイルス増殖抑制と炎症反応の軽減をもたらした。RSウイルスの上気道感染予防でも経鼻免疫が有効なことが示された。 B. 臨床的研究 1)ヒト扁桃の粘膜免疫機能 ・ヒト扁桃のP6特異的IgA産生細胞数は鼻咽腔液中の特異的IgA抗体価と相関し、インフルエンザ菌非検出群で高値であった。扁桃CD4^+T細胞のP6特異的増殖反応がインフルエンザ菌検出群で亢進し、P6特異的なTh2型とTh1型のサイトカイン産生がみられた。OK-432の扁桃注入あるいは経鼻投与によりM蛋白特異的抗体産生細胞数が増加し、鼻分泌中の特異的抗体活性も上昇した。ヒト扁桃も誘導組織としての機能をもつことが示唆された。 2)ヒトアデノイドの中耳炎への影響 ・滲出性中耳炎の幼児アデノイドにはインフルエンザ菌が多く、上皮の網状化の進展、IgA産生細胞数の増加がみられた。肥大よりも炎症が中耳炎の発症に関与すると考えられた。 3)反復性中耳炎小児例の細菌抗原に対する抗体価 ・反復性性中耳炎患児のほぼ半数で、肺炎球菌やインフルエンザ菌に対するIgG抗体が低値であった。以上から、中耳炎の反復性は細菌抗原に対する免疫異常と密接に関連していることが示唆された。
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