研究課題/領域番号 |
10307045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 俊文 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20028731)
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研究分担者 |
増田 裕次 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (20190366)
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
松尾 龍二 岡山大学, 歯学部, 教授 (30157268)
山田 好秋 新潟大学, 歯学部, 教授 (80115089)
日高 修 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30252696)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
37,500千円 (直接経費: 37,500千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1998年度: 22,900千円 (直接経費: 22,900千円)
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キーワード | セロトニン / 三叉神経運動ニューロン / 咀嚼 / ドーパミン / 大脳基底核 / 慢性疼痛 / 過敏化 / オピオイド / 口腔感覚 / 前帯状回 / ストレス |
研究概要 |
歯牙喪失などの口腔機能の低下が学習・記憶を含む脳機能の活性を減弱させることが、臨床的にもあるいは動物実験からも示唆されている。しかし、このことにどのような脳部位が関与しているか、また、そのメカニズムについては不明である。本研究では、このような問題を解明する一端として、脳内生理活性物質に着目し、口腔機能との関係を調べた。本研究結果は以下のようにまとめることができる。 (1)モノアミン類のセロトニンと三叉神経運動ニューロンの関係を、スライス標本を用いて、スパイク後過分極電位および低電位活性型Caチャンネルの特性を調べた。これらの結果からセロトニンは三叉神経運動ニューロンの興奮性を高める機能があることがわかった。 (2)マイクロダイアリシス法を用いた被殻でのドーパミン量の測定、および被殻へのドーパミン入力を遮断後の摂食行動の変化を調べた。これらの結果から、線条体のドーパミンは、摂食行動に関係しており、取りこみ時の行動の調節に関与していることが示唆された。 (3)顎関節炎や耳下腺炎を惹起した慢性疼痛モデル動物を用いて、三叉神経脊髄路核尾側亜核のニューロンの特性を調べると、末梢性および中枢性の過敏化が起こり、この過敏化を抑制する機構に脳内ペプチドであるオピオイドが関与することが示唆された。 (4)軟らかい飼料のみで飼育し、咀嚼行動を抑制した環境下での動物において、足底に炎症を惹起し、脊髄ニューロンの活動性をc-fos発現により調べた。炎症によるc-fos発現は、咀嚼を促進させることにより減少する傾向が認められた。このことは、咀嚼の促進が疼痛抑制に働くオピオイドの分泌を促進する可能性が示唆された。 本研究で得られた口腔機能と脳内生理活性物質の関係に関する知見は、現在明らかにされていない口腔機能の障害が全身におよぼす影響の究明に有用な情報を提供するものと考えられる。
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