研究分担者 |
宇尾 基弘 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20242042)
大川 昭治 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40001945)
近藤 清一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80018431)
横山 敦郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20210627)
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配分額 *注記 |
37,800千円 (直接経費: 37,800千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1998年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
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研究概要 |
(I)高融点金属:IVA属(Ti,Zr,Hf),VA属(V,Nb,Ta),VIIA属(Re)および他金属(Cu,Ag,Fe,Ni,ステンレス)のラット埋入試験による生体親和性評価、X線走査型分析顕微鏡(XSAM)高感度元素マッピングによる溶出領域の可視化により、Vを除く高融点金属、特に従来全く報告のないHf,Reも含め生体親和性を確認、(II)表面窒化チタン:(1)物性評価-チタン表面窒化膜は黄金色を呈し、結晶構造TiN+Ti_2N(薄膜X線回折)、厚さ約2μm(断面SEM観察)、ビッカース硬さ1300と著しく硬く、超音波スケーラーを適用しても全く傷がつかないことは特筆できる。超音波スケーラー定荷重回転摩耗試験機を試作し、引っかき/耐摩耗性を定量的に評価した。(2)生体親和性評価-動物埋入試験の組織計量から新生骨直接接触率、新生骨形成量ともチタンとほぼ同程度である。(3)ミニチュアデンタルインプラント試験-顎骨から上皮を貫通する歯科インプラント試験として、ラット下顎歯を用いたミニチュア試験法を開発し、アバットメント部表面を窒化したインプラントの評価を行なった。(4)好中球を用いた微細摩耗粉の為害性評価-10μm,1μm大のTi微粒子埋入後の周囲軟組織は24週後も炎症性反応を示し、巨食細胞のTi微粒子貪食、好中球の形態変化を確認。好中球が刺激を受け放出するサイトカインTNFαは1μm大Ti微粒子の場合のみ放出を確認。物理的サイズ効果による刺激・為害性を認めた。(III)関連派生研究:(1)傾斜機能型インプラント:チタン/アパタイト(Ti/HAP)系傾斜機能材料では焼結過程で一部のアパタイトが反応分解するが、チタン/窒化チタン+アパタイト(Ti/TiN+HAP)系ではアパタイトを保持したまま焼結されることを確認。(2)傾斜機能型コンポジットレジン残存歯の歯根部へ植立するコア、ポストに対して、衝撃力による過大な応力集中により発生する歯根部破折を抑制するために、UDMAマトリックスに対しシリカフィラー含有量を変化(0〜80%)させた傾斜機能型コンポジットレジンを光造形法(レーザーリソグラフィー)で作製し、応力緩和効果を光弾性法、有限要素法計算により評価、確認した。(IV)結言:窒化チタンは生体親和性に富みかつ表面硬さがきわめて高く、その応用として耐摩耗性が要求される、(1)人工歯根のアバットメント部(上皮貫通部)、(2)関節などの人工骨摺動部等の有望な用途が考えられる。
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