研究課題/領域番号 |
10307056
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 拓 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30217971)
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研究分担者 |
赤羽 悟美 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00184185)
黒瀬 等 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (10183039)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
32,700千円 (直接経費: 32,700千円)
2000年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1999年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1998年度: 13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
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キーワード | 心不全 / 興奮収縮連関 / 心筋 / Ca^<2+>トランジェント / L型Ca^<2+>チャネル / Ca^<2+>ハンドリング / βアドレナリン受容体 / 心筋梗塞モデル / 梗塞モデル / 心肥大 / カルシウム シグナリング / カルシウム チャネル / 細胞骨格 / 洞房結節 / カルシウム トランジェント / 過分極活性型(If)チャネル |
研究概要 |
心不全治療薬に対する考え方はここ数年で大きく変わってきたが、決め手になる薬物治療法は存在しない。新世代の薬のターゲットを強く意識して平成10年度から3年間にわたり心不全発症初期の心筋興奮収縮連関におけるカルシウムシグナリング、虚結心筋保護のメカニズム、電位依存性性L型Ca^<2+>チャネルの機能制御機構、βアドレナリン受容体の脱感作機構に関する研究プロジェクトを推進してきた。下記にその主な研究成果をまとめる。 1)虚血心筋保護に関連してGタンパク質のうちGiとGoがROS(reactive oxygen species)のターゲット分子であり、ERK(extracellular signal-regulated kinase)を活性化させることを見出した(Nature408,492,2000)。この結果は受容体によってのみ活性化されると信じられてきたGタンパク質活性化の概念を打ち破るものであり、また、毒性の面のみが強調されてきたROSが細胞を保護する経路をも活性化しうることを示した初めての報告である。2)Ca^<2+>チャネルアゴニストがチャネルの開口に直接かかわるセリンの位置を明らかにした。従来、アンタゴニストやアゴニストの結合部位から機能を推定していたが、私たちは、哺乳類のチャネルとホヤやクラゲのチャネルのアミノ酸配列をin silicoで解析し、実験的に確かめるという新手法を薬理学に導入し、成果を挙げた。また、PKAによるL型Ca^<2+>チャネル修飾機構の解明に突破口を開き、L型Ca^<2+>チャネルカルボキシル末端に結合して機能制御に関わる蛋白を見出した。3)ラット冠動脈結紮モデルにおいて、心不全への代償期にはCa^<2+>ハンドリングが亢進しており特にNa^<+->Ca^<2+>交換機構が活性化されることを見出した。4)心不全でβ_1アドレナリン受容体がダウンレギュレーションすることはよく知られている。β_1アドレナリン受容体とβ_2アドレナリン受容体との比較を行い、アゴニスト刺激によりβ_1受容体の細胞内への移行(インターナリゼーション)が起きにくいメカニズムを明らかにした。
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