研究課題/領域番号 |
10308028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
谷口 和弥 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028204)
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研究分担者 |
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
24,350千円 (直接経費: 23,600千円、間接経費: 750千円)
2001年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
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キーワード | Na / Kポンプ / H / リン酸化 / フォスタファーゼ / キナーゼ / オリゴマー / Naポンプ / Hポンプ / フォスファターゼ |
研究概要 |
我々は陽イオン輸送ポンプATPasc分野で初めてH^+ポンプのCa^<2+>に依存したSer-27残基のリン酸化とCa^<2+>に依存しないTyr-10とTyr-7のリン酸化を発見し、さらにin vivoでのこれらTyr-残基の可逆的リン酸化を証明した。さらに関与する酵素系の同定と共にこれら酵素系が、H^+ポンプ(H/K-ATPase)の触媒鎖付近の膜にうめこまれていることも明らかにした。一方、H^+ポンプの形成するリン酸化酵素には、高濃度ATP存在下ではEPと当モルのATPが結し、EP : EATPが定常状態のH^+-ATPaseの反応中間体として存在することが初めて明らかになった。これら一連の研究でポンプはオリゴマー構造をとり相互のサブユニット間で対話しながらEPとEATPが反応中間体として平行メカニズムでPiを遊離することが明らかになった。更にH^+ポンプへの、化学修飾、リガンド結合の化学量論等は、ポンプが2量体よりむしろ4量体からなることを強く示唆していた。この点を確かめるために、H^+ポンプの1分子観察を試みた。ロータリーシャドウ法による電子顕微鏡観察では、4量体のH^+ポンプの存在が、エヴァネッセント光を用いた、FITC修飾H^+ポンプのFITC蛍光は量子的に4段階で消光され,4量体の存在が示唆された。又Na^+ポンプのATP結合ドメインの特定のLys、Arg残基への変異導入で、みかけの上で2種類存在するATP結合部位の性質が、1個の変異で異なる影響を受けることも明らかになった。これは、P型ポンプの触媒鎖には1個のEP形成部位(リン酸化ドメイン)とATP結合部位(ヌクレオチド結合ドメイン)が同時に存在するとした従来の考えでは説明不可能であり、EPを形成する触媒鎖とATPを結合する触媒鎖が対話しながら同時に存在することを直接示す、P型ポンプ分野における新知見である。
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