研究課題/領域番号 |
10309003
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大島 忠平 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10212333)
|
研究分担者 |
中田 恭子 青山学院大学, 理工学部, 講師 (20272742)
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
中尾 憲治 筑波大学, 物質工学系, 教授 (30011597)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
|
キーワード | ナノグラファイト / カーボンナノリボン / 端局在電子状態 / 端局在格子振動 / パイ電子 / スピングラス / カーボンナノチューブ / グラファイトナノリボン / フジタ状態 / バイ電子 / 量子バンド / 量子化バンド / ナノチューブ |
研究概要 |
リボン幅1.3nmのアームチェア型の端をもつカーボンナノドリボンのフォノンスペクトルでは2つの特徴が観察された。(1)狭いリボン幅を反映した離散的なフォノンバンドが出現した。(2)アームチェァ端に局在したエッジフォノンが、TOフォノンとTAフォノン間のギャップ内部で検出された。昨年度、h-BN膜上を単原子層のグラフィンで覆うと、金属的な界面であったh-BNとNi(111)界面にギャップが発生することを示唆するフォフォノンスペクトルを報告した:STMでこの現象を観測した結果、グラフェンで覆うと整合していたh-BN膜が不整合格子に変化して、2eV程度のギャップをもつ半導体となることを検出した。ナノグラファイトの電子構造、磁気的性質を活性炭素繊維、ダイヤモンドナノ粒子の熱処理により得られるナノグラブァイトを用いて調べた。3次元乱雑ナノグラファイトネットワークを構成する活性炭素繊維の磁性がエッジ状態に起因し、熱処理によりナノグラファイト間相互作用を増加させると、絶縁体から金属に転移することが明らかとなった。また、絶縁体-金属転移近傍では、スピングラス的挙動が見出された。水、その他のゲスト分子を活性炭素繊維中のマイクロポアネットワークに物理吸着させると、ナノグラファイトの磁気モーメントが減少することが明らかとなった。このことは、ナノグラフェン間にゲス卜分子からの実行圧がかかることで理解される。 前年に引続きナノグラファト、及びナノチューブの輸送現象に関する研究とその総括を行った。まず、グラファイトリボン接合系の量子輸送について調べ、この系のコンダクタンスが、接合部分での端の形状に大きく依存する事を示した。また、欠陥を持つナノチューブの電気伝導特性を調べ、磁場中のコンダクタンスに特異なスケーリング則を見出した。これに加え、ふっ素化グラファイトの電子状態計算を行い、ふっ素化がナノスケール炭素系のEβ^2電子物性制御の一手段として有効である事を示した。ナノグラファイトにおいてエッジ状態を発現するzigzag端を、ヘテロ系であるh-BNおよびBNC-3元系に対する境界条件として課し、その電子状態を局所密度近似の範囲で詳細に調べた。BNリボンは半導体であるが、エッジ状態と同様なπ電子局在状態を示した。グラファィトリボンとBNリボンがzigzag端を介して接合したBNCx系では、CドメインとBNドメインそれぞれのエッジ状態に由来する新規な界面局在状態(ボーダー状態)が現われた。
|