研究分担者 |
一色 浩 日立造船(株), 技術研究所, 主席研究員
木下 正生 日立造船(株), 技術研究所, 主管研究員
寺田 幸博 日立造船(株), 技術研究所, 主席研究員
柿本 英司 日立造船(株), 技術研究所, 研究員
木下 正夫 日立造船(株), 技術開発本部技術研究所, 主任研究員
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配分額 *注記 |
26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 20,200千円 (直接経費: 20,200千円)
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研究概要 |
RTK-GPSを外洋に設置したブイに搭載すれば,津波の襲来を検出して警報を発令するシステムをシステムを構築することが可能である.この考えに基づき,本研究では実験用ブイの製作と実験を行なった.研究は(1)GPS津波計ブイの開発,(2)海面高リアルタイムモニタシステムの開発,(3)津波検出手法の開発,の3部から構成され,研究チームが課題を分担しつつ研究を実施した. 平成10年度にはGPS津波計測ブイを開発した.津波のような長周期波動をひろうため,長いスパー型センサーを取り入れることとし,GPSアンテナを搭載したセンサーブイとGPS受信機等を搭載したサポートブイの2つのブイから構成するブイ系を設計した.これらのブイは約10mほど離して設置された.データ伝送には特定小電力無線を用いた.陸上基地局側に伝送されたデータはパソコン上で表示することとし,そのためのソフトウェアを開発した. 開発製作されたGPS津波計測システムを用い,1999年3月18日〜26日の間,神奈川県三崎市の相模湾において実験を行った.1週間以上の観測においてデータ伝送やRTK処理が途中途切れることなく実験を終了した.また,得られた測位データは潮位記録とも比較して1cm程度の精度があることが検証された. 1999〜2000年度には,この実験結果をふまえ,実用化に向けたいくつかの課題に取り組んだ.まず,本実験が約1週間と短かったことから,より長期の継続稼働に耐えられるかどうかを検証するため,大阪湾上において1999年10月からほぼ1年間にわたる稼働実験を行い,係留索やブイ本体への海水の影響等について調査を行った.また,得られた記録を詳細に解析し,風波の影響すなわち卓越周期が数秒以下であり,数分より長い周期をもつ津波をフィルター操作によって抽出することが可能であることが判明した.
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