研究課題/領域番号 |
10354011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
小澤 健一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00282822)
佐藤 博彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90262261)
枝元 一之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80185123)
長村 俊彦 (株)ユニソク, 開発研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
35,500千円 (直接経費: 35,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 30,400千円 (直接経費: 30,400千円)
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キーワード | 超高真空 / 極低温 / 高磁場 / STM / トンネル分光 / ナノグラファイト / フッ化グラファイト / 局所状態密度 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面分析 / グラファイト |
研究概要 |
昨年度に引続き、超高真空高磁場光電子走査型トンネル顕微鏡の立上げを行った。低温強磁場でのテストのため、HOPG試料を用いてヘリウム温度条件下で磁場印加を行い、格子像の測定を試みた。この結果10Tまでの磁場条件下では、高分解能で格子像を得ることが出来ることが明らかとなった。一方、トンネルスペクトルの測定に関しては、2H-NbSe_2のCDWギャップの観測に成功した。しかし、当初の目的の一つであったグラファイトのエッジ状態の観測に関しては、再現性の良い結果を得ることが出来なかった。これは、トンネルスペクトルは探針の状態に大きく依存し、そのばらつきを上回るほど劇的な局所状態密度の変化が観測できなかった事を意味する。今後、探針の状態の評価法や、データの統計処理の向上を目指す必要がある。また、現在、低温磁場中で、2H-NbSe_2の超伝導ギャップおよびボルテックスの観測を試みている。格子像の観測については、フッ素化グラファイト表面、HOPG上に作成したナノグラファイトについて実験を試みた。フッ素化グラファイトについては、フッ素化サイトにフッ素との共有結合により生じた欠陥構造とその周辺に√<3>×√<3>の超格子構造が観測された。また、この結果を理論的な解析結果と比較した。ナノグラファイトについては、電気泳導によりHOPG上に分散したダイヤモンドナノ粒子の熱処理により試料を作成し、約10nmのナノサイズのグラフェンを作成することに成功した。光照射実験については、超高真空、低温、高磁場条件での装置の調整に多くの時間を必要としたため、今後の課題として残された。
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