配分額 *注記 |
29,200千円 (直接経費: 29,200千円)
2000年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1999年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,外部量子効率が40%を越えるような超高効率の紫外・青色・緑色・白色LEDを開発することにある。平成10年度〜12年度の研究成果は以下に示すとおりである。 1.InGaN単一量子井戸からなる緑,青,近紫外LEDをパルス駆動し,時間分解エレクトロルミネッセンス(TREL)測定により,電流注入という実際の素子駆動条件での発光機構に関する評価を行った。その結果,活性層のIn組成が大きな試料ほど,発光半値幅やストークスシフトが増加し,発光に関与する励起子(キャリア)の局在の程度が大きくなることが明らかにされた。 2.波長266nm,パルス幅1.5psといった紫外短パルスレーザを光学顕微鏡下において直径数μmで集光することにより試料からの発光パターンを画像化したり空間-時間分解で分光するシステムを開発した。この装置を用いて,ELO(epitaxial lateral overgrowth)-GaNの評価を行った。貫通転位密度が10^6cm^<-2>(wing領域:幅8μm)と10^8cm^<-2>(window領域:幅4μm)の領域での時間分解フォトルミネッセンス測定を行った。その結果,貫通転位密度が大きい領域の方の発光減衰寿命が若干短くなることが示された。しかし,2桁という転位密度の違いほどの大きな差は見られず非輻射再結合過程が点欠陥等の他の起源により律速されていることが明らかとなった。 3.同一条件で成長させたABLEG(air-bridged lateral epitaxial growth)-GaNおよびABLEG-InGaN(In:1%,2%および3%)の各試料に対する発光ダイナミクスの実験を詳細に行った。その結果,In組成の増加とともに(1)発光効率が飛躍的に増加すること,(2)GaNで顕著だったダブルイクスポーネンシャル(二つの減寿命を持つ)減衰特性の早い寿命成分が徐々に弱くなりIn:3%の試料では完全なシングルイクスポーネンシャルとなることが分かった。このことにより,数%程度のIn添加により点欠陥的な起源のNRCが低減されキャリア・励起子の拡散長が長くなっていることが明らかにされた。
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