研究課題/領域番号 |
10355005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
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研究分担者 |
渡辺 俊二 (株)ニコン, 相模原技術開発部, 教授
藤井 透 (株)ニコン, 相模原技術開発部, 係長
堀内 俊寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
22,600千円 (直接経費: 22,600千円)
1999年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1998年度: 14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
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キーワード | 近接場音響顕微鏡 / AFM / 音響力学物性 / 超音波 / FM検出法 / 位相同期ループ / SNAM / 走査型プローブ顕微鏡 / PZTカンチレバー |
研究概要 |
(1)圧電性薄膜(PZT)カンチレバーの動作性能評価 PZTカンチレバーの基本的なAFM動作を評価するために、サファイア基板を1400℃で熱処理することにより得られる原子ステップ構造のAFM観察を行った。観察されたステップの高さは約2nmであり、AFM動作に対しても本装置が十分なZ方向の感度をもつことが確認された。 (2)高分子材料の局所音響・力学物性評価 ポリフッ化ビニリデン-3フッ化エチレン共重合体P(VDF-TrFE)薄膜の局所音響・力学物性の評価をダイナミックモードのAFMにより行った。薄膜を構成しているグレインの表面は分子鎖が複雑に絡まった構造あるいはアモルフォス構造であるために、最表面の情報を検出する通常の走査プローブ顕微鏡では、高分解能観察は困難であった。しかしながら、探針をさらに試料表面に近づけてその相互作用を大きくすると音響・力学的結合により、グレイン内部の弾性的情報が得られることが分かった。この結果、グレインにはさらに数10nm程度径のサブグレイン構造から成ることが分かった。 (3)音響散逸エネルギー検出系の開発 さらに高い分解能を得るために、ダイナミックAFM動作における圧電薄膜カンチレバーの振動エネルギーの散逸量から、試料の音響・力学情報を測定することを試みた。この動作では、カンチレバーの共振周波数の変化が試料の形状情報として、振幅変化が音響散逸情報として測定される。周波数検出部は、カンチレバーの自励振動部と周波数シフト検出部の2つから構成され、散逸情報は自励振動部内の振幅制御系により測定が可能となる。本研究では、応答追従性の改善を目指して周波数検出感度をさらに向上させるために、水晶発振器を用いた電圧制御発振器(VCXO)による独自の周波数検出回路を開発した。これによって周波数安定度は0.01Hz(1kHz周波数帯域)と飛躍的に向上した。
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