研究分担者 |
山下 貴司 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, 室長(研究職)
青木 徹 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (10283350)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00022137)
富田 康弘 浜松ホトニクス(株), 電子管事業部, 研究員
二橋 得明 浜松ホトニクス(株), 電子管事業部, 研究員研究リーダー
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研究概要 |
高エネルギー放射線を対象としたCdTe単結晶を用いた固体化検出器の開発研究がなされ,多くの基礎技術を開発し,この技術により得られた検出器の性能は室温動作で世界最高の値が得られている.この基礎技術には我々が研究開発したリモートプラズマ励起MOCVD法による低基板温度(150℃)でのエピタキシャル成長技術,エキシマレーザードーピング法による選択ドーピングによるpin CdTeダイオード集積化技術が組み合わされている.本研究において目的とする高性能なデバイスを実現するためには,上記のデバイス作製法の基礎技術によるところが大きい.プラズマにより発生させた水素原子ラジカルの助けにより,100〜150℃の低基板温度でエピタキシャル成長及び高濃度ドーピングの出来る技術を確立した.これを応用してCdTe及びCdZnTeの高低抗バルク結晶にn層及びp層をエピタキシャル成長しpin構造の検出器を形成できる.この技術は熱に弱い化合物半導体に適用するのに極めて好都合な技術であり注目されることとなった.更に,エキシマレーザーを用いたドーピングと微細加工プロセスの併用をすることによりマルチピクセル化した集積化技術の研究を行った.レーザードーピング法というのは,半導体表面に不純物となる化合物を極薄く(200A)蒸着し,後,エキシマレーザーを照射する.このとき,雰囲気を5〜10気圧の高圧窒素又はアルゴン中で行うとアブレーションが起こらないで,瞬間的に高温に加熱され,不純物の固体中拡散が起こり高濃度のドーピングが出来る.この現象を,II-VI族半導体の場合に適用した.上記の技術を複合的に組み合わせて,放射線検出器を作製しその性能を評価した.室温動作でアイソトープCo-57からの放射線,122KeVのエネルギー分解能で,半値幅1.7KeVの世界で最高のものを実現できた.
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