研究分担者 |
鈴木 裕之 広島大学, 工学部, 助手 (90284158)
佐々木 元 広島大学, 工学部, 助教授 (30192595)
篠崎 賢二 広島大学, 工学部, 助教授 (70154218)
深谷 保博 近畿大学, 工学部, 教授 (40268454)
田島 俊造 広島大学, 教育学部, 助教授 (40136130)
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配分額 *注記 |
30,200千円 (直接経費: 30,200千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 23,700千円 (直接経費: 23,700千円)
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研究概要 |
本年度の研究では,昨年度までの研究に引き続き高速遠心成形法(以下HCPとする)における成形条件と成形体特性の関係を明らかにするとともに,それらが焼結体の特性におよぼす影響を確認した.また,昨年度までとは異なるアルミナ粉末を使用して成形焼結を行い,昨年までの結果と比較することで,研究の検証を行った.さらに,アルミナでの結果を踏まえて高速遠心成形によるWC材料の作製も行っている. 昨年度までの結果を踏まえて,本研究の結果を以下に総括する. (1)HCPの成形原理は加圧鋳込み成形法のそれと基本的に異なるため,本質的に鋳込み法よりも成形速度が速い.その成形速度は,ロータ回転数の2乗にに比例して増加すると共に,泥漿初期濃度の影響を受けないため,薄目の泥漿をより高速で成形することで,成形効率を上げることが出来る.なおHCPの着肉速度は修正したKynchの理論により定量的に予測できる. (2)ロータ回転数が速いほど,成形体の粒子充填率は上昇し,また泥漿中の欠陥をより分ける力が大きくなる.従って,出来るだけ速いロータ回転数で成形することで,短時間に緻密で低欠陥の成形体が得られることになる. (3)HCPアルミナの機械的特性が優れるのは,組織が緻密で微細なことに加えて,低欠陥であるためである.他のアルミナとの特性の比較より,HCPアルミナは現存するアルミナ焼結体のうちで,最も欠陥が少ないものの一つと考えられる. (4)上に示したHCPの様々な特徴は,WC微細粉末の成形においても発揮される.ヘプタンを分散媒とした泥漿により,短時間の成形で緻密な成形体が得らる.またこの成形体はCo等の助剤を添加なしでもほぼ100%まで緻密化し,そのビッカース硬さはHv2300と非常に高い.
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