研究課題/領域番号 |
10355031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 勝敏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10026049)
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研究分担者 |
鈴木 亮輔 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 29,900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 26,600千円 (直接経費: 26,600千円)
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キーワード | 四塩化チタン / マグネシウム / 還元 / 微粉末 / 塩化ニオブ / 塩化タンタル / 溶融塩 / 塩化マグネシウム / チタン製造 / 製錬 / 還元反応 / 凝集 |
研究概要 |
溶融塩の内部で還元反応を進行させるチタンの連続還元プロセスの開発を行った。現有生産法のクロール法が使用している原料である四塩化チタンとマグネシウムを同様に使用し、金属マグネシウムと溶融塩を容器内で比重差で二液層に分離させ、下層の溶融塩に四塩化チタンを導入し上層の金属マグネシウムで還元した。溶融塩内部を沈降した金属チタンは容器底部に堆積するのでこれを溶融塩から引き出し分離した。 KCl,NaCl,LiCl等から溶融塩組成を定め、溶融塩と還元剤マグネシウム液体を完全に分離した。また容器材料には緻密質MgOが適していた。クロール法によるチタン粉径に比べ、本法では約1/10の微粉末が集合した形態であった。還元反応の主たる機構は溶融塩内に溶解しているマグネシウムによる還元であり、金属マグネシウム液相内での還元は付加的な反応であった。この機構から考えて、マグネシウムと直接接触させないで四塩化チタンを吹き込むという実験手法を編み出し、収率80%以上を得た。 他方、生じたチタン粉末は孤立した粒子で粒子径は小さく、溶融塩からチタンを分離するため次の2案を講じた。第1案では、液体サイクロンをまねた沈降凝集過程を採り入れた。過剰の還元剤マグネシウムはチタン粉末の粘結剤として作用し、チタン粉末の凝集が促進された。第2案は、多量の四塩化チタンを投入して生成チタン粉末の一部を再溶解し、低級のチタンイオンを高濃度に生成させるプロセスと、次いでこの高濃度塩にマグネシウムを作用させてチタンを製造するプロセスである。連続化が可能であり、粒子径をやや粗大に制御し回収が容易になった。 ニオブ、タンタルの塩化物の還元を行ったところ、それぞれ純金属単体微粉末を得た。これらは小型大容量コンデンサーに適する微細なものであった。
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