研究課題/領域番号 |
10355033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 籐太郎 (今坂 藤太郎) 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
野田 廣 島津製作所, 環境計測事業部, 技術部係長
平川 靖之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80238344)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
30,700千円 (直接経費: 30,700千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1998年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 超音速分子ジェット分光分析 / 多光子イオン化 / 質量分析 / 塩素置換芳香族化合物 / ダイオキシン / ポリ塩化ビニル / オンライン分析 / リアルタイム分析 / 多光子イオン化法 / 質量分析法 / 塩素置換芽香施化合物 / ポリ塩化ビュル / ポリ塩化ビニリヂン / 環境分析 |
研究概要 |
本研究では、ダイオキシンを高感度・リアルタイム計測するための分析装置の開発するとともに、これを用いる基礎研究を行った。 ダイオキシンのような塩素を多数含む芳香族化合物は、スピン-軌道相互作用のために励起寿命が短くなり、多光子イオン化の効率が低下する。これを克服するには、励起寿命と同程度のパルス幅を持つレーザーを利用する必要があることを、理論・実験の両面から実証した。本研究では、とくに分布帰還型色素レーザーを開発し、実際に高いイオン化効率が得られることを確認した。 ダイオキシンを高感度に測定するには、生成したイオンを効率よく検出できる質量分析計が不可欠である。そこで新方式の質量分析計を設計するとともに、SIMIONソフトウエアを用いたシミュレーションにより、得られる性能を予測した。また、実際に装置を設計・試作し、所定の性能が得られることを確認した。 本研究では、ポリ塩化ビニルの熱分解生成物を超音速分子ジェット分光法により測定することにより、ダイオキシンの前駆体であるクロロベンゼンが全く生成しないこと、また塩素化したポリ塩化ビニル(ポリ塩化ビニリデン)からは、クロロベンゼンが効率よく発生することを明らかにした。また、塩化第二鉄の触媒存在下で、クロロフェノールがどのようなダイオキシンを生成するかを研究した。その結果、当初予想していたような単純な脱塩化水素化ではなく、スマイル転移した異性体が生成することが判明した。このような異性体のリアルタイム計測は、従来の質量分析装置では行えず、超音速分子ジェット法の有用性を示すことができた。 本研究の成果により、NEDOの平成12-14年度地域コンソーシアム事業「ダイオキシンのオンライン・リアルタイム計測装置の開発」が採択された。平成15年にはダイオキシン分析装置として市販化する計画となっている。
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