研究分担者 |
塩入 孝之 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20012627)
吉原 利一 電力中央研究所, 研究員
庄子 貞雄 東北大学, 農学部, 名誉教授 (10005605)
藤田 利雄 チッソ株式会社, 研究員
中西 啓仁 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282698)
後藤 文之 財団法人 電力中央研究所, 我孫子研究所, 研究員
長谷川 和久 石川県農業短期大学, 教授 (10070848)
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研究概要 |
1.ニコチアナミンアミノ基転移酵素遺伝子(naat)を導入した鉄欠乏耐性イネのT2世代を作出した. 2.酵母の3価鉄還元酵素遺伝子(Fre1)をタバコ用に改変したrefre1遺伝子をPCR法により全合成し,これを遺伝子導入したタバコを作出した。このタバコを石灰質アルカリ土壌で検定したところ,野生株のタバコのアルカリ土壌耐性を凌駕する株がえられた. つぎに,このrefre1の至適PHがアルカリ側でも高い酵素活性を有しているアルカリ土壌耐性タバコの作出を狙って,Mnイオン濃度を変えた変異導入法によりin vitro evolution(試験管内進化)を行い遺伝子改変を行なった.このrefre1:1遺伝子をタバコに導入し,アルカリ土壌で検定し,耐性株を作出することに成功した. 3.FeCl2,Fe3+-EDTAを内包した被覆鉄系資材を合成して,アルカリ土壌で,種々の野菜,インゲン,水稲,陸稲に対する施肥法を検討した.試験の結果,施肥法の難しさが浮き彫りにされた.作物はその根と被覆肥料が緊密に接触しない限り,被覆肥料から溶けてきた鉄がすぐに不溶態化してしまうので鉄イオンを吸収できないことが明確になった.被覆肥料の中に「ムギネ酸鉄」を内包させた肥料を将来作出したい.
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