研究課題/領域番号 |
10356011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
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研究分担者 |
伏谷 伸宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70012010)
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60011912)
石田 行知 三菱化学, 生命科学研究所, 主任研究員
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60183951)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
31,800千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 1,200千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
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キーワード | 海産毒 / 生理活性 / 心筋 / xestospongins / 平滑筋 / conotoxin / 肥満細胞 / NO / 海洋生物 / 生理活性物質 / 毒素 / カルシウムチャネル / 内皮 / アクチン / ミカロライド / ペクテノトキシン |
研究概要 |
本研究は、海洋生物由来の新規天然生理活性物質を探索し、その生理・薬理活性を調べ、これによって新たな医薬、農薬、研究試薬創出のための基盤とすることを目的としている。4カ年にわたる研究の中で、様々な海洋由来の新規生理活性物質を発見し、その薬理作用を明らかにしてきた。また、薬理活性が明らかでない既知の化合物についても検討を行った。ここでは新たに明らかにした薬理活性の主なものについての知見をまとめる。 1.ペクテノトキシン2(PCTX-2):ホタテ貝の中毒物質であるPCTX-2は、forcal adhesionを形成するアクチン線維に影響することなく、apical側のアクチン線維を特異的に断裂させた。アクチン重合への影響を生化学的に検討したところ、PCTX-2は隔離作用によりアクチン繊維の脱重合を生じさせた。 2.ステレッタマイド類(ST):STファミリーのCaM阻害作用における構造活性相関について検討し、1)CaM阻害作用の発現にとって最も重要な官能基条件はイソプレノイド鎖-アルカロイド部位の立体配置である、2)アルカロイド部位の正電荷の増大は活性化段階に対する阻害作用を増強する、3)短いイソプレノイド鎖は「結合段階」に対する阻害作用を増強する、などを明らかにした、 3.ペトロシノール:Petrosynolは、八丈島近海に生息する海綿の一種Petrosia spp.より単離精製された、ポリアセチレン鎖を骨格とする新規化合物である。petrosynolが電位依存性L型Ca^<2+>チャネルを抑制することを明らかにした。 4.ゼストスポンジン:Xestosongin-Cは心筋skinned fiberで見られるIP3による収縮を特異的に抑制した。さらに、αアドレナリン受容体で増強した部分をxestosongin-Cは特異的に抑制したことから、心筋におけるIP3の生理的関与をはじめて明らかにした。さらに、肥満細胞における抗原刺激による細胞内Ca濃度上昇作用の機序についても、xestosongin-Cを用い証明できた。一方、平滑筋に対しては、電位依存性のCaならびにKチャネルを抑制し、IP3受容体以外のチャネルに作用することが明らかにされた。
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