研究課題/領域番号 |
10357002
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長嶋 和郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50010377)
|
研究分担者 |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70261287)
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
23,100千円 (直接経費: 23,100千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1998年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
キーワード | JCウイルス / 神経組織特異性 / ウイルス受容体 / シアル酸 / 転写調節因子 / agnoprotein / HTLV-I TAX / 転写調節領域 / yeast two hybrid / veast two hybrid system |
研究概要 |
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)はポリオーマウイルスに属する2本鎖環状DNAウイルスであるJCウイルス(JCV)が原因である。しかしながらJCVがヒト脳の脱髄疾患であるPMLを引き起こす詳細なメカニズムは不明であり、根治的な治療法は全くない。治療法確立の基礎として、我々はJCVの感染および増殖メカニズムを解明するために、細胞側の受容体での選択性、および核内転写調節過程での特異性に関与する分子を同定することを試み、JCVの吸着から転写までの機構を明らかにした。 1)semi-quantitative PCR法を基にしたJCV entry assayを用いて、細胞膜でのJCV受容体は種を超えて幅広く存在している分子であることが判明した。 2)受容体の主分子としてはシアル酸を複数個持つ糖脂質および糖蛋白であり、その一候補としてintegrinが同定された。また、副分子としてスルファチドの関与が認められた。 3)ウイルス側の結合分子は外核蛋白VP1であった。VP1にてintegrinと結合したJCVは、clathrin pathwayを経て10分後にはvirionの形態で核内に到達していた。 4)転写調節因子としてこれまで機能が不明であったJCV後期蛋白の一つであるagnoproteinおよびHTLV-I TAXもJCVがJCV regulatory regionに結合しJCVの転写を亢進させるということを明らかにした。
|