研究課題/領域番号 |
10357008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸一 金沢大学, 医学部・附属病院・皮膚科, 講師 (20215792)
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研究分担者 |
竹原 和彦 金沢大学, 医学部・皮膚科, 教授 (50142253)
長谷川 稔 金沢大学, 医学部・附属病院・皮膚科, 助手 (50283130)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
2000年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1998年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 全身性強皮症 / CD19 / CD22 / B細胞 / tight skin mouse 1 / 自己免疫 / 動物モデル / tight skin mouse I |
研究概要 |
CD19の発現量がヒトにおいても自己免疫の誘導に関与しているという仮説の下、全身性強皮症(SSc)由来B細胞上のCD19の発現量をフローサイトメトリーにて解析した。SSc由来B細胞上のCD19の発現量は健常人に比して20%増加していた。この20%のCD19発現量の増加が自己免疫を誘導しうるかどうかを、同様に約20%だけCD19の発現量が増加したCD19トランスジェニック(TG)マウスを用いて検討した。このマウスでは抗1本鎖DNA抗体、抗2本鎖DNA抗体、抗ヒストン抗体、リウマトイド因子が野生型マウスに比べ高値であった。さらに抗紡錘体極抗体も30%で検出された。従って、SScにおける20%のCD19発現量の増加が自己免疫を誘導している可能性が示唆された。この事実に基づき、tight skin mouse(Tsk)マウスにCD19の機能を導入した新たなSSc動物モデルの開発、またCD19機能と皮膚硬化の関係を明らかにする目的で、TskマウスにCD19TGマウスおよびCD19ノックアウト(KO)マウスTskマウスを交配して、CD19TG Tskマウス、CD19KO Tskマウスを作成した。CD19TG TskマウスではTskマウスで認められなかったIgG型抗topo 1抗体産生を誘導でき、さらに多様な自己抗体の産生の誘導も認められた。従って、CD19TG Tskマウスは従来のどのSSc動物モデルよりもヒトSScの免疫学的特徴をより正確に反映していた。CD19TG TskマウスではTskマウスと比較して皮膚硬化の増強が認められなかったものの、Tskマウスで認められた自己免疫および免疫異常がほぼ除去されたCD19KO Tskマウスでは、Tskマウスと比較して皮膚硬化が著明に減弱したことから、CD19発現は皮膚硬化の誘導にも重要な役割を担っていることが示唆された。
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