研究課題/領域番号 |
10358013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小林 喬郎 福井大学, 工学部, 教授 (90006247)
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研究分担者 |
川戸 栄 福井大学, 工学部, 助手 (60313730)
孫 東松 福井大学, 工学部, 講師 (40303359)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
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キーワード | ライダー / レーザーレーダー / ドップラー効果 / 回転ラマン散乱 / 振動ラマン散乱 / 風速 / 気温・湿度 / リモートセンシング / ドップラー方式 / 気温 |
研究概要 |
本研究の目的は地球環境問題の複雑な現象を解明するため、対流圏大気の風向・風速、温度、湿度などの気象要素の三次元空間分布を一台のシステムで遠隔計測が可能な小型で軽量な気象要素観測ライダー(レーザーレーダー)の研究開発を行い、種々の大気の計測実験を通して新しい大気計測装置としての実用化の可能性を検討することである。本研究の成果は次の通りである。 (1)風速、気温、湿度の多機能アイセーフ型ライダー装置の開発 波長355nmの紫外域で平均出力0.6Wのレーザーと口径20cmの集光鏡を用い、光子計数検出器を用いた小型のライダーを構成した。風速測定には、エタロンによる高分解能フィルターを用いた直接検出型のドップラーライダー方式を、気温は大気構成分子の回転ラマン散乱を2波長で同時計測するラマン散乱方式を、また湿度の測定は水蒸気分子の振動ラマン散乱光によるラマン散乱方式を用いた。これらの大気要素を一台のシステムで同時に観測できることが示され、測定精度として風速は3kmの距離で1.5m/s,気温は1.5kmで1K、湿度は2kmで10%の値が得られた。 (2)LD励起単一周波数Qスイッチ動作Nd:YAGレーザー利用の小型ドップライダーの開発 ドップラーライダーに用いるため、LD励起による全固体で小型のQスイッチNd:YAGレーザーを新たに開発し、外部からの光シーディングと進行波型共振器による単一周波数発振とし、また制御回路により周波数安定化を行い、安定度0.2MHz、平均出力3W、パルス繰り返し10kHzが得られた。その第2高調波光(532mm)を掃引可能な直径20cmの小型望遠鏡と組合せてドップラーライダーを開発した。動作実験を行い、距離3kmで精度0.6m/sの特性が得られた。本システムは気象観測装置として有用であり、実用化が十分可能であるとの見通しが得られた。
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