研究課題/領域番号 |
10358016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神取 秀樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70202033)
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研究分担者 |
中野 辰彦 日本バイオラッドラボラトリーズ(株), 分析機器, 課長
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90219965)
TASUHIKO Nakano Bio-Rad, Analystical Lab, Manager
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
31,100千円 (直接経費: 31,100千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1999年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
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キーワード | 赤外分光 / ステップスキャン法 / 時間分解法 / バクテリオロドプシン / オキシデース / レーザー / ダイナミクス / 不可逆過程 |
研究概要 |
本研究においては、蛋白質の構造変化を記述するための一般的なツールとして赤外分光法を位置付けるために、不可逆的な反応が測定可能な時間分解の赤外分光器を開発することを目指した。そのために民間企業の研究部門に所属する研究者を含む有機的な研究体制を組織し、特に「繰り返し反応」の測定に限定されてきた時間分解FTIR法を「不可逆(シングルターンオーバ)反応」に発展的に応用するために不可欠な測定系を開発した。具体的には、ステップスキャン時間分解赤外分光器と赤外顕微鏡を組み合わせた装置を作製した。特に、赤外顕微鏡にxy自動ステージを組み込み、不可逆反応を開始させた試料からのシグナルを積算するために、X-Yステージを分光器のStep pulseで同期駆動させる補助プログラムを作成した。制御・データ処理向上のため、32ビットソフトウエアWin-IR Proを導入し、データ処理を高速化した。レーザーによる光励起と同期して時間分解赤外スペクトル変化を測定するためのシステムを構築し、不可逆な反応過程における構造変化の解析が可能になった。 一方、大腸菌末端酸化酵素のダイナミクスに関して、光還元による蛋白質の構造変化をbd型とbo型のそれぞれについて測定し、ユニークな変化を明らかにした。特にbo型については、変異蛋白質の測定も併せて行い、酸化還元に伴う構造変化の部位を同定した。さらに、不可逆反応の代表的な蛋白質分子である視物質ロドブシンに対してフェムト秒蛍光分光法を適用し、励起状態における異性化反応過程を明らかにした。同様に視物質の中で色覚を担う赤感受性色素や緑感受性色素をニワトリの網膜から単離、精製し、水和フィルムに対する赤外分光から、発色団レチナール分子の異性化に伴う蛋白質の側の構造変化を明らかにした。また偏光赤外分光を用いたバクテリオロドプシンの研究、細菌の光センサーであるイエロープロテインの研究を行った。
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