研究課題/領域番号 |
10410003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 知正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50110284)
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研究分担者 |
山脇 直司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30158323)
宮本 久雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50157682)
山本 巍 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70012515)
野矢 茂樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50198636)
村田 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 合理性 / 理解と解釈 / 社会構成主義 / 脱構築 / 本質主義批判 / 他者 / 歴史性 / 創造性 / 暴力 / 感情と信念 / 行為の記述 / 多元主義 |
研究概要 |
(1)行為をめぐるrationalityの多様な側面を見据えつつ行為論としての統一性を提示する方途として、解釈ないしは理解という活動に即して行為をめぐる様々な問題を考察する、という方法がもっとも有効であるという結論を提示できたこと。 (2)rationalityというものは一元的な体系をなしたそれ自体不変の静的かつ永遠なる本質のごときものではないこと、rationalityはむしろダイナミズムのうちにあるものであって、あらゆる時点ですでに完成されたものとして前提するような本質主義的なみかたは維持できないということ。 (3)(2)のようにrationalityをダイナミズムのうちにあるものととらえることで、従来のrationalityの概念では内なるものとしてとらえきれなかった技術、意味といった場面での「創造性」の問題についてもその根源的な新しさをとらえる見通しをつけられたこと。 (4)rationalityの外側として位置づけられる他者の問題については、他なるものをたんに語りえないものとして排除するのではなく、むしろそれがrationalityの地平にいかにしてあらわれ、迫りくるかを問題にしていること、また、その際にrationalityを放棄するのではなく、むしろrationalityのうちでダイナミズムが展開してゆくこと。さらには、他者性の問題は、(3)の創造性の問題とも通底するものであるという見通しをつけられたこと。 (5)これらに加え、rationalityがダイナミズムのうちにあって発展・転回するものであるとすると、それは歴史性の問題と連関することが予想される。この観点から、歴史性の問題において、いかにしてrationalityのダイナミズムが機能しているかを検討し、歴史性がとりわけて他なるもの、ないしは多元性をめぐる問題に即してそこで機能しているrationalityを語りうるものであることを確認できた。しかしながら、歴史性が本質的にどこまで合理的なものであるかについては、むしろ問題の多様性を示すにとどまり、新たなる構想のもとに考究する必要を認識した。
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