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アリストテレス政治哲学の体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10410005
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学
研究機関聖心女子大学

研究代表者

岩田 靖夫  聖心女子大学, 文学部, 教授 (30000574)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード正義 / 自由 / 平等 / 市民 / 奴隷 / 中庸 / デモクラシー / 文化的多元性 / 国家 / 共同体 / 個人 / 判断力 / 善 / 文化的多元論 / 国制 / 権力 / 実践理性 / 支配権力 / 徳 / 利益
研究概要

この研究課題に関連して、私は、研究発表の項目に詳述したように、以下の四論文を執筆した。すなわち、「アリストテレスの奴隷論」、「アリストテレスの『政治学』における市民と国制の概念」、「現代の政治哲学における基本的論点と問題点」、「アリストテレスの『政治学』における中間の国制」である。第一の論文において、私は、アリストテレスが奴隷制を国家構成の必要不可欠な要素として正当化する際の論理そのもののうちに、人間に関する自己矛盾した観念が潜在することを指摘し、これがやがて奴隷制の否定と人間の平等の確立へと導きうる思想的基盤でありうることを明らかにした。第二の論文においては、アリストテレスの市民概念が純粋な政治的能力によって規定されていることにより、人種、性、出自、階級などに基づく従来の市民概念を打破しうる起爆力をもつことを明らかにし、そこからデモクラシーの国制を擁護しうることを論じた。第三の論文においては、現代の政治哲学が、文化的多元性という精神的状況を絶対に覆しえない歴史的前提として受容することにより、異なる文化や宗教を共存せしめる共通の地盤として正義の概念を追求していることを明らかにし、これを自由と平等を至上価値とする人権思想の実現のうちに見定めていることを論じた。第四の論文においては、デモクラシーの政治理念が、アリストテレスの倫理思想における中庸としての徳とフロネーシスの概念とに緊密な連関をもつことを明らかにし、したがって、極端に貧しい大衆の支配する国制でもなく、少数の有徳な富裕層の支配する国制でもなく、徳においても財においても中位の中産階級が大勢を占める国制がもっとも望ましい国制であることを論じた。アリストテレスはこの国制を単に「国制」と呼んだが、これが現代のデモクラシーに他ならないのである。以上がこの三年間にわたる研究成果であるが、まだ経済問題と教育思想が残されており、これらを論じて初めてアリストテレスの政治思想の全貌が明らかになるであろう。

報告書

(4件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (20件)

  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレス『政治学』における「中間の国制」"『思想』(岩波書店). 920. 59-77 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "現代の政治哲学における基本的論点と問題点"『中世思想研究』(創文社). 42. 143-152 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの『政治学』における市民と国制の概念"『論叢』(聖心女子大学紀要). 92. 11-36 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの奴隷論-その正当化の論理と超克の可能性"『思想』(岩波書店). 893. 44-64 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuo IWATA: "The Middle Constitution in Aristotle's "Politics""Siso, (IWANAMI Publishing Company). vol.920. 59-77 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuo IWATA: "Fundamental Viewpoints in Contemporary Political Philosophies"Studies in Medieval Thought (Sobunsha). vol.42. 143-152 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuo IWATA: "Concept of-Citizen and Constitution in Aristotle's "Politics""Seisin Studies. vol.92. 11-36 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yasuo IWATA: "Slavery in Aristotle-His Logic of it's Justification and a Possibility of it's Overcoming-"Siso, (IWANAMI Publishing Company). vol.893. 44-64 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "現代の政治哲学における主要な論点と問題点"中世思想研究. 第42号. 143-152 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレス『政治学』における「中間の国制」"思想. 第920号. 59-77 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスにおける自然の目的論的構造"『ヨーロッパ中世の自然観』(創文社). 3-33 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの奴隷論-その正当化の論理と超克の可能性"『思想』(岩波書店). 893号. 44-64 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの『政治学』における市民と国制の概念"『論叢』(聖心女子大学創立50周年記念号). 92号. 9-36 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "ギリシア人の神"『キリスト教文化研究所紀要』(聖心女子大学). 50号. 1-12 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "否定と跳躍-ソクラテスとキルケゴール"『ギリシア哲学と実存』(理想社). 1-20 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "現代の政治哲学における基本的論点と問題点"『中世思想研究』. 42号. (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "死にさらされた裸と至高性ーーレヴィナスの語る顔ーー" 『地球化時代のキリスト教』 (春秋社). 123-135 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスにおける自然の目的論的構造" 『ヨーロッパ中世の自然観』 (創文社). 3-33 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの奴隷論-その正当化の論理と超克の可能性" 『思想』 (岩波書房). 893. 44-64 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 岩田靖夫: "アリストテレスの『政治学』における市民と国制の概念" 『論叢』第92号 (聖心女子大学創立50周年記念). 92. 9-36 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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