研究課題/領域番号 |
10410009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島薗 進 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20143620)
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研究分担者 |
藤井 健志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10189996)
関 一敏 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (50179321)
鶴岡 賀雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (60180056)
深澤 英隆 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (30208912)
石井 研士 國學院大學, 文学部, 教授 (90176131)
金井 新二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30114440)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 宗教概念 / 近代宗教学 / 国家神道 / 神道学 / 神秘主義 / 政教分離 / 呪術 / 民族宗教 / 民俗宗教 / 宗教 / 宗教学 / 自然宗教 / 社会進化論 / 宗教哲学 / 姉崎 正治 / 加藤 玄智 / religion / 近代日本 / 知識人 / 創られた伝統 / 大学制度 |
研究概要 |
本研究は現代、世界各地で用いられている「宗教」概念と、それに依拠する宗教学が、時代的な制約のもとに成立したものであることを明確に自覚し、そのことから生じるさまざまな問題を考慮する試みである。現代日本語の「宗教」は西洋の「religion」にあたる語を翻訳して、明治以降に普及したものである。その後の日本の宗教制度の展開や宗教学の形成過程を振り返ると、何が「宗教」とよばれ、何が「宗教」ではないのかについて、混乱を含みながら、事態が展開したことが明確になった。「宗教」と隣接して用いられる「祭祀」や「治教」、あるいは「国家神道」などとの関連を問うことで、日本的な「宗教」概念の特徴をとえる手がかりが得られる。一方、西洋では何の問題も生じないかというとそうではない。西洋でも特定の思考環境の下で「宗教」概念が輪郭づけられてきたことが明確化され。この語を用いることによる難点が指摘されるようになってきており、そうした難点を克服する方途の探求が、従来の宗教学の見直しとからみあいながら、重要な課題として進められていることが明らかになった。また、アジアの諸地域でも西洋風の「宗教」概念との齟齬が自覚されているようになっており、日本との比較により、多くの新たな知見が得られた。このように「宗教」概念が多くの不明瞭さを抱えていることは、宗教学の取り組むべき対象の範囲が今や自明のものではないことを示すものである。では、そのように輪郭が鮮明でなくなってきた「宗教」を、どのように問い直していくかという現代宗教学の方法論的課題への問いが、本研究を通して新たに切実なものとして浮上してきた。
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