研究分担者 |
木下 直之 東京大学, 文学部, 助教授 (30292858)
水沢 勉 神奈川県立近代美術館, 学芸員(研究職)
五十殿 利治 筑波大学, 芸術学系, 助教授 (60177300)
ジャクリーヌ ベルント (ベルント ジャクリーヌ) 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (00241159)
長谷川 祐子 金沢市現代美術館, 建設事務局, 学芸員(研究職)
長谷川 裕子 金沢市現代美術館建設事務局, 学芸員
|
配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
|
研究概要 |
研究は,各研究分担者が,テーマの重要なアスペクトを分担して追及し,毎年四度ずつの研究例会を重ねて発表討議を重ね,報告論文集等に成果を発表するという仕方で進められた。その結果,ご開帳から東京国立近代美術館誕生にいたる日本における美術館成立過程をたどる形で,<美術>の確立とその展示空間の成立過程を,次の6つのアスペクトに則してあきらかにできた。(括弧内は,報告論集等におけるそのアスペクトに関する議論部分の執筆者の名である。)(1)展示空間の近代と前近代の関係から(木下直之) ; (2)博物館から近代美術館へ(横山勝彦) ; (3)「明治対象名作美術展覧会」と「日本近代美術」の成立の問題から(五十殿利治) ; (4)近代日本における抽象表現の萌芽との関係で(水沢勉) ; (5)国立近代美術館の誕生(蔵屋美香) ; (6)美術館理念および民芸運動との関係で(長田謙一)。さらに、日本を中心として,美術展時空間の現代的変容を次の6つのアスペクトから明らかにした。(1)共同体との関係で(神野真吾) ; (2)彫刻概念の拡張との関係で(小泉晋弥) ; (3)舞台との関係で(木村理恵子) ; (4)マンガを中心とするポップ・カルチャーとの関係で(ジャクリーヌ・ベルント) ; (5)21世紀の新しい美術館像との関係で(長谷川祐子) ; (6)万国博覧会との関係で(吉見俊也)。こうして所期の目的を達成した結果,特に,1930年代から50年代にかけての日本の近代美術館成立過程のさらに詳細な調査・研究および,1980年代の美術概念の大きな変貌とのかかわりにおける美術展時空間の変容に関する一層グローバルな視野にたった研究という、2方向で、多くの研究課題が浮上することとなった。
|