配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1998年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
本研究の目的は、能動的注意(とくに視空間への能動的注意)の脳内再現様式と脳内モノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)の役割を霊長類を用いて明らかにすることにある。今回はとくに注意に最も関係すると考えられるノルアドレナリンとその受容体に注目した。 この目的のため,3頭のサルに視覚探索課題(oculomotor visual search,OVS)とそのコントロール課題(視覚検出課題,oculomotor detection,OD)を訓練した。OVS課題では,サルが注視点を注視していると,一つのターゲット刺激とその周りの7つの妨害刺激(distracters)を含む刺激配列が提示される。サルは妨害物の中からターゲットを選び出し,その方向に向かってサッケードすることが要求される。このOVS課題では,妨害物の中からターゲットを選び出す過程としての能動的(選択的)注意が必要である。一方のOD課題では,ターゲットのみが提示され妨害刺激は提示されないので,能動的注意は必要とされない。 サルがこれらの課題を遂行している間に前頭連合野の局所にムシモールを注入して機能脱落を起こしたところ,OVS課題のみが特異的に障害されることがわかった。この障害は,POP-OUT,NON-POPOUTの両方の条件で同じように現われ,また,障害されること障害されたターゲット位置と注入部位の間には大まかなトポグラフィカルな関係があった。さらに,微量のノルアドレナリン受容体の各種阻害剤を注入して,課題遂行への効果を調べたところ,α2受容体阻害yohimbineの注入によって,OVS課題が特異的に障害されることを見つけた。 これらの結果は,前頭連合野内にトップダウンとボトムアップの両方に関する能動的注意のマップが存在すること,そして,ノルアドレナリンα2受容体の賦活がこの注意過程に重要な役割を担うことを示唆する。
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