研究分担者 |
浅川 達人 東海大学, 健康科学部, 講師 (40270665)
森岡 清志 東京都立大学, 人文学部, 教授 (50125358)
中尾 啓子 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (10274995)
高木 恒一 愛国学園大学, 人間文化学部, 助教授 (90295931)
久保田 滋 徳島大学, 総合科学部, 講師 (20294663)
安藤 究 鹿児島経済大学, 社会学部, 講師 (80269133)
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研究概要 |
本研究の目的は,夫婦のネットワーク構造が都市度の違いによってどのように異なるか,また,就業・非就業が夫婦のネットワーク構造や都市度とどのように関連するか,を明らかにすることにある.1.こうした研究目的に基づき,平成10年度は,女性の就業状況と夫婦のネットワーク構造,夫婦間の役割分担状況を明らかにするための調査票を作成し,当該年度末(平成11年3月)に,福岡市,岡山市,徳島市の3地点において,各地点700サンプルに対する郵送調査を実施した.対象者は,30〜49歳の女性とした.回収結果は,全体の回収票851票,回収率40.5%,有効回収票836票,有効回収率39.8%であった.2.平成11年度は,そのデータを用いて分析を行った.分析結果から得られたファインディングスの詳細は,『研究成果報告書』に記述してあるが,ここで主な点をあげると,(1)都市別で比較した場合には,既婚有子女性のフルタイム就業者は都市度が低い所ほど多く,徳島市において最も多く存在する.その比率は,福岡市10.4%,岡山市16.4%,徳島市23.4%であり,これは1%水準で有意な差である.(2)徳島市での上記のフルタイム就業を可能にさせる要因としては,社会移動が少なく,30分以内に居住する妻本人の親族ネットワークが多いこと(配偶者のそれは有意さなし),また,職種としては専門的職業や公務員の割合が高いこと,をあげることができる.(3)小学校入学当時,自分の母親が就業していた人ほど就業率が高い.(4)女性の就業希望は一貫したものではなく,結婚後の希望は,夫の就業形態に規定される側面も大きい.(5)都市度と親族・友人ネットワークの関連は,都市度の友人ネットワークへの直接効果に加えて,親族ネットワークの空間配置を媒介とした間接効果が存在する.(6)近距離友人と親族ネットワークは相互補完的に配置されている,などの点が明らかとなった.詳細については,『研究成果報告書』を参照のこと.
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