研究課題/領域番号 |
10410054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京経済大学 (2000-2001) 十文字学園女子大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
奥山 正司 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (50073036)
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研究分担者 |
中谷 陽明 日本女子大学, 人間生活学部, 助教授 (00198128)
王 偉 中国社会科学院, 日本研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 農村 / 家族介護 / アジア系外国人妻 / 東北農村 / 老親扶養 / 農村後継者 / 農村地域 / 姑 / 離婚 / ストレス / 西南日本 / 後継者問題 / 居住形態 / 生活問題 / 老親扶養意識 / 国際化 |
研究概要 |
アジア系外国人妻が多く流入している東北農村、特に山形県最上地方を中心にして老親の家族介護問題やアジア系外国人妻の生活について調査研究を行ってきた。また、西南日本でも東北農村と同様の傾向がみられるのか、についてもその動向調査を試みた。結果については、以下の通りである。 1.東北農村の外国人妻と老親扶養の問題は、いえ問題や後継者問題と絡んできわめて重要な課題となっている。 2.今回、東北農村において調査したアジア系外国人妻の日本人の老親に対する精神的・経済的・身体的な扶養意識については、出身国別では、いずれの項目においても中国・フィリピン出身者が韓国出身者より高い傾向がみられた。 3.東北農村の後継者世代との関係でみられる老親の介護は、日本人の後継者妻が介護しているケースがほとんどであり、外国人妻が家族介護の一員としてかかわっているケースは皆無に近かった。それは老親の世代が後期老年層より若干若いということとも関連しており、今後、数年後に生起してくる問題であることが判明した。したがって、今後は、その動向を見ることが重要であり、数年後にはアジア系外国人妻の介護調査が必要になってくるという認識になった。 4.上記の認識にたったうえで、今回の調査の一部は、今後、農村におけるアジア系外国人妻の介護・扶養問題がどのように展開していくかという前提となる家族介護が、実際、家族の中でどのように営まれているのか、日本人を対象とした介護・扶養の問題をケーススタディとして把握することになった。 5.東北農村の最上郡内での介護については、要介護高齢者が男性であれば、その妻が余程の健康を害していないかぎり、嫁(息子の妻)よりも優先して介護している姿がみうけられる。それは、直系家族であっても、従前とは異なってきており、家族内部では夫婦単位のつながりが強くなってきている査証である。また、こうした現象は、要介護高齢者が女性であった場合の夫の役割がそうでないのとは対照的であり、そこにジェンダーバイアスが大きく存在しているといえよう。 6.一方、西南日本の農村における外国人妻と老親扶養の問題については、老親子が同居するという居住形態をとるケースがほとんどみられなかったことから、それほど大きな問題とはなっていなかった。今後は、アジア系外国人妻が介護するケースが現れるのを発見し、その分析をする必要がある。
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