研究課題/領域番号 |
10410063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京都立短期大学 |
研究代表者 |
和田 清美 東京都立短期大学, 都市生活学科, 助教授 (40211677)
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研究分担者 |
高桑 史子 東京都立短期大学, 文化国際学科, 教授 (90289984)
大矢根 淳 専修大学, 人文学部, 専任講師 (80281319)
竹中 英紀 桃山学院大学, 社会学部, 助教授 (30257737)
牛山 久仁彦 愛知大学, 法学部, 助教授 (30308704)
大井 伸子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60155041)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 住民組織 / コミュニティ・リーダー / 町内会・自治会 / 都市コミュニティ / 都市住民組織 / 地域リーダー / 防災組織 / 都市行政 / 都市社会変動 / コミュニティ |
研究概要 |
本研究は現代日本の社会変動が先鋭的に立ち現れているのが都市社会であるとの認識に立ち、現代日本の都市社会変動を、様々な人間の集団的組織的活動である住民組織の形態的変化、内的結合の変化、関係を取り結ぶ市民=住民組織の意識の実態分析をとおしてあきらかにするところに研究の中心があった。研究対象は大都市の住民組織とし、21世紀初頭の我が国の大都市住民組織の存在形態の解明を目的に実施された。 研究は3カ年にわたり、第一年度は先行研究の整理・検討と仮説構成のための実態調査、この成果を踏まえ第二年度はアンケート調査対象の確定(東京都足立区及び八王子市の全町会・自治会の会長)及び調査票の設計・実施、第三年度はこの「地域リーダーアンケート調査」(回答総数385、回収率43%)の集計・分析を重点的におこなった。このよう研究内容と経過により、以下のような研究成果が得られた。 (1)加入率をみると、7割以上の加入率の町内会・自治会は足立区で79%,八王子市では88%というように総じて両自治体とも高く、都市住民組織における伝統的組織のもつ組織力およびその維持力の強さが確かめられた。組織の維持は住民相互の親睦や連携、行政との連携に意義を見いだしており、現リーダー7割以上が2〜3代目の地付き層であることが組織の継承に果たす役割が大きいことがあきらかになった。 (2)しかし、会員の構成比率をみると、両自治体ともに新住民が6割を占めるなど会員構成に変化がみられる。また役員不足や高齢化・固定化、ルールを守らない住民の増加など組織維持をめぐって問題を抱えている実態があきらかになった。さらに現代都市の社会変動に伴い新たな地域課題も発生しこれに対応するような取り組みがみられる。その一つの現れが専門部会の設置である。両自治体ともに6割以上の町内会・自治会において設置されている。活動内容では、地域住民の親睦を筆頭に、防災、清掃・美化、お祭り、交通安全、犯罪、資源リサイクル、集会所管理などが続き、活動の継承が組織維持に果たす役割が大きい。 (3)行政との関係をみると、事務委託、補助金は両自治体ともに8割を超えており、委託内容では印刷物の配布、募金の協力、広報誌の配布、イベントの参加、リサイクルへの協力の事項で高くなっている。また、行政と連携する活動は足立区で8割を超え、八王子市では5割で、そこに大きな違いがみられる。 以上から、現代日本の都市住民組織における伝統的組織は、都市の社会変動に対応して組織構成と機能の変質・変化を伴いながら組織維持されていることがあきらかになった。
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