研究概要 |
本研究の目的は、東京大学建築学専攻所蔵の戦前に蒐集された朝鮮考古資料の全体像を明らかにし、それを集成しデジタル化して活用することと、資料がもつ画像そのものの保存をめざすことである。 達成された成果は、次の3点であり、これにより研究者のみではなく多くの人に考古資料を公開することができ、研究に活用することもできるようになった。 1,ガラス乾板を箱ごとに集成し、総数728箱、乾板は11,286枚、フィルムは2,550枚、紙焼きは276枚、総数14,112枚であり、その内容は日本、朝鮮、中国、東南アジア、中央アジア、西欧にわたることをあきらかにした。このうち朝鮮関係の2,500枚の乾板から四切紙焼きを2部ずつ作成し、撮影者、画像内容や参考文献などを調査しデータベースを作成した。 2,紙焼きの1部は永久保存とするため、1枚ずつ中性紙保存封筒に入れ、さらにそれを30封筒ごとに中性紙保存箱に収納した。封筒と箱は、ISOの規格にもつづく現在考えられる最高の基準をもちいた。閲覧用の1部は有害な可塑剤を含まないポリプロピレンファイルに入れ、ファイルとして綴じた。 3,拓本・図面・模写は、総数1,144件あるが、そのうち朝鮮関係は340件である。これについては、『朝鮮建築・考古資料基礎集成』と題して、画像を含めたデータベースをCD-ROMで作成した。
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