研究分担者 |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00161993)
井上 文子 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門・第2領域, 主任研究員 (90263186)
三井 はるみ 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門・第2領域, 主任研究員 (50219672)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
渋谷 勝己 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90206152)
日高 水穂 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80292358)
大西 拓一郎 国立国語研究所, 言語変化研究部第1研究室, 主任研究官 (30213797)
|
配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
日本各地の方言における文法現象(述語句の構造,助詞や助動詞の意味・用法など)に関する方言間の対照を通じて,日本語方言の文法体系のバリエーションの様相を従来よりきめ細かく記述するとともに,個々の変異発生のメカニズムについて考察を行うことを目的とする。 方言間の比較対照は方言研究において常に行われてきたが,文法現象を分析する枠組み自体は共通語や個別方言を対象にした文法研究の援用にとどまることが多い。本研究では,日本語方言における文法体系のバリエーションの様相を詳細に記述・分析することを通じて,より一般性の高い文法分析の枠組みを構築することができた。 具体的には,各地方言文法をきめ細かく記述した。その記述をとおして,従来特に不足していたモダリティ,また係り結びや条件表現など統語関係の分野の記述方法を進展させた。 同時にそれぞれの方言文法を対照することで記述のために必要な枠組みが明確になった。さらにそれぞれの地点間の文法的異なりを生じさせる原因にも分析を及ぼした。 方言文法を記述するために必要な枠組みを整理する中から,どのような点に注意して各地の方言に臨めばよいかということ,また,実際上の留意点などが明らかになった。 以上を受けて,可能,自発,ボイス,接続,格,モダリティ,活用という文法分野を中心に問題点を整理し,記述の観点・方法,研究の現状,資料などを掲載した報告書『方言文法調査ガイドブック』をまとめた。 この報告書により研究者みずから臨地調査での記述にあたって利用できるとともに,若手研究者の育成への有効な活用が期待される。
|