研究分担者 |
李 濟民 (李 済民) 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60220787)
高宮城 朝則 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80197201)
山本 眞樹夫 (山本 真樹夫) 小樽商科大学, 商学部, 教授 (10122938)
瀬戸 篤 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (00271734)
出川 淳 小樽商科大学, 商学部, 教授 (10271735)
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研究概要 |
本研究プロジェクトは包括的な視点から地域の産業・企業の現状と間題点を摘出し,地域経済の発展に必要な政策を検討することを目的として研究を実施した。研究課題は,(1)地域産業構造のマクロ分析(地域産業の構造的特質および関連産業),(2)企業行動分析(経営意識・システム,財務・金融,市場行動),(3)政策立案プロセス分析(経済活性化政策の運用実態と政策効果)であり,これらを総合して地域経済の自立化に対する構造要因,行動要因,政策要因を実証的に解明した。主要な成果は次の通りである。 1.企業行動に関わって,新規顧客の比重が低い企業,換言すれば,リピート・オーダー比率の高い企業ほど,官公庁需要に依存する程度が高く,こうした企業は市場行動面で多くの問題を抱えている。 2.地域外市場への進出は地域企業の成長に有効な戦略経路である。地域外市場進出に不向きな業種も存在する。しかし,建設業も含めて地域外市場進出は可能であり,その成功事例も少なからず認められる。 3.地域外市場進出に失敗するのは次のような場合である。(1)旧態依然とした,地域固有の慣習や閉鎖性に依存している。(2)親会社依存などの他力本願的な地域外市場進出である。(3) 営業部門の協力体制や販路開拓の積極さが欠如している。(4)顧客市場とのコミュニケーション経路(顧客対応・苦情処理部門制等)が十分でない。(5)進出先の優良な流通業者と連携できない。 4.地域外市場進出の成功要因としては,(1)戦略の明確さ,(2)組織全体への戦略の浸透,(3)営業部門におけるプロ意識の醸成,(4)新商品アイデアの創出に対する積極さ,が明らかになった。 5.地域経済活性化の1施策として注目されているべンチャー支援については,当該地域の出身者のいわゆるUターン技術者にターゲットを絞った支援システムの構築が効果的である。
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