研究課題/領域番号 |
10440005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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研究分担者 |
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
浪川 幸彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20022676)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
佐野 武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90252220)
吉川 謙一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20242810)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | K3曲面 / エンリケス曲面 / モジュライ空間 / 保型形式 / 曲線 / 複素ボール / Del Pezzo曲面 / 算術的部分群 / K3曲線 / 自己同型群 / 小平次元 / 超球面 / Mathieu群 / Niemeier格子 / Kummer曲面 |
研究概要 |
1.エンリケス曲面のモジュライ空間の射影モデルの構成 エンリケス曲面はK3曲面の固定点のない位数2の自己同型による商として得られ、そのモジュライ空間は、IV型有界対称領域の算術的部分群による商空間として記述されることが知られている。最近、BorcherdsがIV型領域上の保型形式論を展開した。この保型形式論をエンリケス曲面の場合に適応することで、レベル付エンリケス曲面のモジュライ空間の射影モデルを構成した。アーベル多様体等では、テータ関数を用いた結果は知られているが、IV型領域上では初めての結果であり、K3曲面に関連した他の場合への適用も期待できる。またエンリケス曲面のモジュライ空間を幾何学的に構成する方向を、この射影モデルは与えるものと期待される。 2.種数4の曲線(コンパクトリーマン面)のモジュライ空間の一位化 種数4の曲線のモジュライ空間の一位化は知られていなかったが、本研究において、K3曲面の自己同型、周期の理論を適応して、種数4の曲線のモジュライ空間が、9次元複素ボールの離散群による商空間と双有理同値であることを示した。さらに、この算術的部分群が,超幾何微分方程式に関係したDeligne-Mostowの複素鏡映群で最大次元のものとcommensurableであることを示した。今後、Deligne-Mostowの複素鏡映群をK3曲面の周期の観点から再構成する問題が考えられる。また同じ方法を用いて、Del Pezzo曲面のモジュライ空間とある種のK3曲面のモジュライ空間との双有理性を示した。これらのモジュライ空間の記述はIV型領域を用いており、1)で述べた保型形式を用るモジュライ空間の新しい研究に道を開くものと考えられる。
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