研究分担者 |
佐藤 榮一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80283943)
山田 美枝子 金沢大学, 理学部, 教授 (70130226)
隠居 良行 (陰居 良行) 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80243913)
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20112302)
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研究概要 |
この研究課題の下での研究により得られた成果の内で,主なものは概ね次の通りである。 1.「integrable表現」の概念を,アフィン・スーパー・リー環のときに精密に考察することにより,アフィン・スーパー・リー環のときにはintegrable表現をprincipal-integrableとsubprincipal-integrableとに類別する必要があることを見出し,それらの各々について最高ウェイトのレベル毎の分類を行った。 2.アフィン・スーパー・リー環sl(m|n)^,osp(m|n)^の基本表現をボゾン場とフェルミオン場を用いて構成して,Weyl-Kac型の指標公式の他に,テータ函数型及びquasi-particle型の指標の表示式を導いた。そしてその表示式から,sl(m|1)^の基本表現の指標は(modular函数ではないけれども)Appellの楕円函数であることを見つけるとともに,或る手法で指標のasymptoticsを求めた。 3.アフィン・スーパー・リー環sl(2|2)^の双対Coxeter数は0であり,このスーパー・リー環のtrivial表現はcriticalレベルの表現である。そのために,sl(2|2)^の分母の表示式を求めることは難しい問題であったが,これの分母公式を,テータ函数のRiemann関係式などを用いることによって証明した。 4.スーパー・リー環から派生する或る代数多様体から生じる因子をBRST複体に付加することによって,アフィン・スーパー・リー環に付随するW代数を構成し,ランクの低いアフィン・スーパー・リー環のW代数を具体的に求めた。とくに,この方法で構成されるsl(2|1)^のW代数はN=2 super-conformal代数とcenterless Virasoro代数との直和であり,これによって,N=2 super-conformal代数の表現をsl(2|1)^の表現論すなわちsl(2|1)^のadmissible表現を用いて調べる道が開かれた。この立場からN=2 super-conformal代数の表現を観るとき,現在知られているminimal系列の他に"semi-modular性"をもつ表現の系列が見える。この研究は現在更に進行中である。
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