研究分担者 |
並河 良典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
宮西 正宜 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025311)
坂根 由昌 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00089872)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30252571)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
WENG Lin 神戸大学, 理学部, 助教授 (60304002)
竹腰 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
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研究概要 |
1.「実2次元トーラスの作用を許容する単連結コンパクト自己双対多様体は,ある自然数mに対する複素射影平面m個の連結和mCP(2)と微分同相であり,その自己双対構造はJoyceが1995年に構成した例のいずれかと同型である」,というJoyceの予想を,このような多様体に対しそのtwistor空間の構造を詳細に調べることにより,解決した.実際,より一般に,単連結の仮定なしに,トーラス作用を許す自己双対多様体を完全に分類した.この研究の副産物としてJoyceの自己双対計量に対応するtwistor空間の複素多様体としての精密な構造を明らかにすることができた.特にその適当な双有理型モデルは,射影toric曲面のファイバー空間として実現され,この構造がもとのトーラスのmCP(2)への作用の不変量から完全に決定できる.この多様体はMoishezonであるがその射影モデルの構成は今後の興味ある課題である. 2.Joyce twistor空間の変形空間を研究しその倉西空間が非特異であることを示した.また,このような変形を用いて,4以上の任意の整数mに対しmCP(2)上の正型の自己双対構造で,対応するtwistor空間の代数次元が2であるものの最初の例を与え,これにより,mCP(2)に随伴するtwistor空間の代数次元の分布について一つの決着を与えた.さらに,4CP(2)上の場合には代数次元が2となるtwistor空間の構造を一般的に楕円ファイバー空間として詳細に記述し,さらにこれらから分岐被覆をとることにより,標準束が自明となるコンパクト複素多様体の興味ある系列を構成した.後者の構造については,今後さらに詳細に研究したい.
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