研究課題/領域番号 |
10440058
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
|
研究分担者 |
山田 泰彦 (山田 恭彦) 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (80164672)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究科, 教授 (00176538)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | パンルヴェ方程式 / 高階パンルヴェ方程式 / ガルニエ系 / アフィン・ワイル群対称性 / ベックルント変換群 / 初期値空間 / ハミルトン構造 / 完全WKB解析 / シュヴァルツ写像 / 逆分岐問題 / ドリンフェルト・ソコロフ階層 / フロベニウス多様体 / 完全WKB法 / WKB法 / バーコフの標準形 / ゲーゲンバウアー多項式 |
研究概要 |
本研究における研究実績は多様であるが、研究課題と直接関係するものを3項目にまとめる。 1.パンルヴェ方程式の対称性:本研究課題のもとでこの期間にもっとも進展した分野である。岡本和夫が80年代前半に見付けたパンルヴェ方程式のBacklund変換群(アフィンWeyl群の実現)に関する見通しの良い理論が構築された。この理論は単に岡本の結果を整理しただけのものではなく、パンルヴェ方程式の特殊関数論に有効な手段をも与えた。例えば、このBacklund変換がτ関数にまで自然に持ち上がるので、パンルヴェ方程式に付随して登場する種々の特殊多項式の生成が容易に行えるようになり、また変換自体は複雑な有理変換であるが必要な変換を求めることは極めて容易となった。この理論はいわゆる離散パンルヴェ方程式にも有効で、その方面の研究が現在進行中である。 2.初期値空間:パンルヴェ方程式、高階パンルヴェ方程式あるいは多変数パンルヴェ系(ガルニエ系)の解全体を幾何的に捉える初期値空間の研究に進展があった。もともとのパンルヴェ方程式(第1パンルヴェ方程式を除く)の初期値空間がBacklund変換群を用いて記述されることが分かった。これより直ちにBacklund変換でうつるパンルヴェ方程式の初期値空間はすべて同型という事実が得られた。高階パンルヴェ方程式、2変数退化ガルニエ系の初期値空間(と確信されるもの)の構成も進んだ。これがどのような意義をもつものかの検討は今後の課題である。 3.パンルヴェ方程式の解析:完全WKB解析によるパンルヴェ方程式の研究が進展した。もともとは線形方程式に対して適用されてきたWKB解析を、外から大きなパラメータを導入されたパンルヴェ方程式に適用したものである。接続関係式における主要項が見事に求められた。この解析では第1パンルヴェ方程式が最もgenericなものであり、第2以上の解析にはバーコフの標準形への変換定理を用いる。
|