研究課題/領域番号 |
10440065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
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研究分担者 |
奥平 敦也 鹿児島国際大学, 社会学部, 講師 (70289651)
真鍋 盛二 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (30000178)
面高 俊宏 鹿児島大学, 理学部, 教授 (50129285)
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
亀谷 收 (亀谷 収) 国立天文台, 水沢観測センター, 助手 (70202025)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 高精度天体位置計測 / 相対VLBI / 大気位相補償 / 天体メーザー源 / 銀河系回転曲線 / ダークマター / VERA計画 / 参照電波源 |
研究概要 |
国立天文台のVERA(天文広域精測望遠鏡:昨年度と本年度の補正予算で全4局の建設経費が認められ、建設中)は、電波天体(主としてメーザー源)の高精度位置計測による銀河系の構造と力学の解明に重点を置く新構想のVLBI(超長基線電波干渉法)観測網である。 本研究は、VERAの準備研究として、太陽軌道より外側の銀河系回転曲線の測定を目指す米国国立電波天文台の観測網VLBAによる1サイクル40秒の高速スイッチング相対VLBI観測を行って、VERAの根幹を成す相対VLBI法の有効性を確認するとともに、観測及び解析法を練り、対象天体の性質を把握して、本格観測の展開に備えることを目標とした。 水メーザー源IRAS21008+4700と近傍の銀河系外連続波源2100+468(角距離0.18度)のVLBA観測を、1998年7月と8月に、水メーザー源W3(OH)と系外連続波源0241+622(角距離2.17度)の観測を、1999年11月と12月に実施した。研究代表者を指導教官とする総合研究大学院大学の蜂須賀一也が中心に行なった解析の結果、 (1)相対VLBIによる大気位相補償は成功し、電波源対の22GHz帯干渉縞位相差の残差は、40秒平均値で約10度(2000km基線で約50マイクロ秒角に相当)であった。 (2)推定2万光年及び7000光年の彼方にある水メーザー源のわずか1ヶ月間の数百マイクロ秒角の変位が世界で初めて明瞭にとらえられ、その方向と大きさは、銀河回転、年周視差、太陽運動のモデルから予想される動きとほぼ整合的であった。 ことが明らかになった。この画期的な成果により、相対VLBI法による高精度天体位置計測が可能であることが実証された。また、メーザー源を対象に数十マイクロ秒角/月の固有運動の測定が可能なことも確認され、VERA観測計画への大きなはずみとなった。現在、研究代表者等による複数の継続観測提案がVLBAで認められ、実行されている。
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