研究課題/領域番号 |
10440079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 (1999-2000) 帝京大学 (1998) |
研究代表者 |
安見 真次郎 高エネルギー加速器研究機構, 名誉教授 (50025227)
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研究分担者 |
稲垣 洋輔 東京家政大学, 短期大学部, 教授 (70266542)
前澤 秀樹 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (40150015)
真木 晶弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40044755)
小林 茂治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039273)
森 茂樹 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60100822)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | 中性子寿命 / 中性子のβ崩壊 / 冷中性子 / 中性子 |
研究概要 |
我々は中性子寿命(τ_n)の値を0.1%の精度で測定することを研究の目的としている。このために冷中性子ビームを用いた"最も簡単なτ_n測定法"を独自に考案した。即ち冷中性子ビームを真空槽に導き、プラスチック・シンチレーション・カウンター系でビームを取り囲む。この真空槽中に^3Heガスを少量入れておく。上記カウンター系によって中性子崩壊からのβ線と^3He(n,p)^3H反応からの陽子とを同時に計測する。中性子寿命τ_nはこうして得られるβ線の計数値と、反応で生ずる陽子の計数値との比を用い、^3He(n,p)^3H反応のσ_0ν_0値、1cc中の^3He原子の数及び電子と陽子の計数効率を使って算出される。上述の測定方法を実現するため、電子・陽子同時測定用プラスチックシンチレーション・カウンター系とアンタイ・カウンター系を内蔵し、高真空排気系及び^3Heガス充填系等を具備した中性子寿命測定装置を設計・製作した(平成10年度)。我々は本研究を遂行するため、日本原子力研究所東海研究所JRR-3M原子炉のC2-3ビームポートからの冷中性子ビームを利用している。平成10年度〜12年度において、平成11年度に約4週間、平成12年度に約4週間計、約8週間のビームタイムを得て、τ_n測定実験を行うことができた。平成11年度の実験においては、^3He(n,p)^3H反応の陽子のピークを観測し、ほぼ鉛直方向の宇宙線事象によってエネルギー・スケールを決めて、この陽子ピークのエネルギーを電子に換算して93keVと測定した。この値はシンチレーション・カウンターの電子-陽子レスポンスに関する理論式と、よく一致している。平成12年度は前年度の経験に基づき次の改善を行った;1.中性子ビームに随伴するバックグラウンドを減らすため、(n,γ)のγ線のシールド、中性子シールド(中性子コリメータ)の増強、2.実験室バックグラウンドを減らすためのγ線シールド及び中性子シールドの設置、3.^3Heガス圧力の希釈法による測定法を開発し、そのための圧力計を装置に設置した。これらの改造を施したτ_n測定装置を同じくC2-3に設置して実験を行った。実験が年度末に近かったため、結果については詳しい解析を待たなければならないが、我々の考案した本測定法が中性子寿命の精密測定に適しているという確かな感触を得ることができたことを強調したい。
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