研究課題/領域番号 |
10440091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (50159068)
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研究分担者 |
市田 正夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (30260590)
守友 浩 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (00283466)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | ペロブスカイト型マンガン酸化物 / 光誘起相転移 / 巨大磁気抵抗 / 二重交換系 / 強磁性転移 / ハーフメタル / 超高速レーザー分光 / ペルプスカイト型酸化物 / 電荷移動遷移 / ヤーンテラーポーラロン / ペルブスカイト型酸化物 / スモールポーラロン |
研究概要 |
1)光による磁性制御の舞台となるマンガン酸化物R_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3のハーフメタルとしての特徴を電気抵抗の温度依存性により明らかにした。R=La、Ndでは抵抗は温度の2乗に比例するが、R=Smの場合、温度の3乗に比例する。後者は、ハーフメタルにおける異常な単一マグノン散乱によることがわかった。 2)La_<0.7>Ca_<0.3>MnO_3におけるT<T_c=260Kの強磁性相では、Mn^<3+>イオンのe_g遍歴電子とt_<2g>局在電子との二重交換相互作用によってスピンは強磁性的にオーダーしている。しかし短パルス光により、酸素の2p電子スピンをMnのe_g軌道へ電荷移動励起することによってこの磁気的秩序が破れる。5Kでは透過率変化ΔTは〜30nsで回復するが、回復時間は温度に強く依存する。磁気秩序回復と電荷整列クラスター消滅に対応する緩和時間は、転移温度に近づくと、30-100nsから30μsへ発散的に増加することが明らかになった。相転移に特徴的な臨界緩和現象を光誘起現象として観測することができた。 3)二重交換系では、局在スピンが強磁性秩序をもっている場合にe_g遍歴電子は自由に動き回れるので、伝導特性は金属的振る舞いを示す。しかし光励起によってspin-disorderが導入されるならば、電気抵抗が増大することが期待される。La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3の光誘起抵抗変化ΔR/Rを測定したところ、その緩和時定数、励起波長依存性、温度依存性が、spin-orderの変化を敏感に反映する透過率変化の振る舞いによく一致していることがわかった。電気抵抗をプローブとして光誘起磁気相転移を検出することに成功した。
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