研究課題/領域番号 |
10440102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
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研究分担者 |
永井 克彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)
山口 明 東京大学, 物性研究所, 助手 (10302639)
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ヘリウム3 / 準粒子散乱 / 近藤効果 / 重い荷電粒子 / 核偏極 / snow ball / time of fleight / フェルミ流体 / フェルミ液体 |
研究概要 |
常流動ヘリウム3中の正イオンは誘電分極によりヘリウム3原子が(He_2)^+の周りに引き付けられ、"snow ball"と呼ばれるクラスターを形成していると考えられている。その移動度は100mK以下においてヘリウム3準粒子との散乱により決められているが、その散乱過程にクラスター表面上のヘリウム3核スピンとヘリウム3準粒子の核スピン間の磁気的交換相互作用の寄与が指摘されている。この寄与を調べるために高磁場(<15T)で高圧(<33気圧)の試料について、精度の高い移動度の測定を行ってきた。移動度の測定法としては飛行時間測定法を用い、ドリフト速度と電場が比例する範囲で移動度を求めた。今年度は、幾つかの圧力でLog[1/T]依存性の係数が磁場をパラメーターとして求められた。この係数が磁場依存性を持つこと又その磁場依存性が圧力で変化することが判った。これは前年度に見い出された一定温度での移動度が磁場依存性を持つことに対応している。一方、"electron bubble"と呼ばれる負イオンについて高圧(約29気圧)試料の測定が行われたが、20mK以下でも移動度は温度にほとんど依らず、また磁場依存性も存在しないことが明らかになった。この結果、これまでに観測された正イオンの奇妙な磁場依存性については、クラスター表面上のヘリウム3核スピンが深く関与していると考えられる。しかし現時点では圧力依存性など定量的に説明することは難しく新しい理論の構築が必要である。
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