研究課題/領域番号 |
10440111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 九州大学 (2000) 熊本大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
巨海 玄道 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00111146)
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研究分担者 |
加賀山 朋子 熊本大学, 工学部, 講師 (40274675)
藤井 宗明 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助教授 (10181322)
竹田 和義 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10029548)
藤田 昌大 熊本工業大学, 工学部, 教授 (20040389)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | マンガン酸化物 / 近藤効果 / 5f電子系化合物 / 自発磁歪 / インバー / 量子臨界点 / 非フェルミ液体 / 静的超高圧 / 衝撃超高圧 / 強相関電子系 / X線回折 |
研究概要 |
12年度の科学研究費補助金による実績は以下の通りである。 (1)マンガン酸化物の電子物性に及ぼす圧力・磁場効果 ホールドープ系の酸化物Eu_<0.58>Sr_<0.42>MnO_3について磁化率を測定し、Mn原子あたりの磁気モーメントが圧力により増加していることを見出した。この結果は加圧により電子間の飛び移り積分が大きくなることで強磁性的相互作用が増加し、局在スピン揺らぎが抑えられモーメントが増加しているものと解釈できる。また、La_<0.1>Ce_<0.4>Sr_<0.5>MnO_3では電気抵抗測定により伝導電子のスピンと局在スピンの結合エネルギーを表す近藤温度が高圧下で減少した。これは従来の近藤化合物で示していたものと定性的に異なる新しい現象である。これらの結果は国内外の学会で発表され、また論文としても公表された。 (2)UNi_2Si_2における電気抵抗、熱膨張異常 5f電子系化合物UNi_2Si_2について、a、c軸方向の高圧下熱膨張測定を試みた。熱膨張は結晶構造と結晶磁気異方性を反映して異方的であり、室温におけるa軸方向の熱膨張係数はc軸方向に比べて10倍程度もあり、その異方性はきわめて大きいことが明らかとなった。またネール温度(T_N)以下では磁気秩序形成にともない、a軸方向が正、c軸方向が負の異方的な自発磁歪が現れた。転移の形からT_Nにおける磁気転移は自由エネルギーの二次微係数が不連続に変化する二次相転移であることがわかった。また磁気転移に伴う結晶格子の長さの不連続な変化が2つの温度(T_1,T_2)でみられた。熱力学的観点からは、圧力をかけていくことでこの中間相が次第に抑制されていくことが類推される。高圧下の熱膨張の結果を見ると、確かに圧力をかけていくに従って、T_1は増加し、T_2は減少していく。磁気転移点の圧力変化を直線で近似すれば、この中間相は3-4GPaで完全に抑制されると思われる。この結果は国内外の学会で発表され、また論文としても公表された。
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