研究課題/領域番号 |
10440120
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
松澤 通生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10010943)
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研究分担者 |
森下 亨 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20313405)
日野 健一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90228742)
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60210902)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | エグゾチック粒子 / 閾値則 / 粒子間相関 / 半サイクルパルス / 超球楕円座標 / 準分離性 / 三重励起状態 / 反陽子 / 起球楕円座標 / イオン化閾則 / 視覚化 / ボーズアインシュタイン凝縮 / 複素断熱ポテンシャル / プロトニウム / イオン化 / 指数関数的閾則 / 半周期パルス / 準安定状態 |
研究概要 |
超球座標法を用いて新奇な(exotic)粒子を含むクーロン3体系の粒子相関を研究した。超球座標法はその変数の一つである系のサイズを規定する超半径を断熱パラメーターとして断熱近似を行う。標的水素原子が入射電子と単極子により相互作用をするモデル的なイオン化の問題における電子相関の問題を調べた。これはクーロン力により相互作用をする基本的な3体系である。イオン化の閾値のすぐ上のエネルギー領域では原子核の周りを運動する遅い2つの電子が強く相関している系であり,所謂通常の電子水素原子散乱におけるWannierの閾値則との関連で関心が持たれている。上記のS波散乱に限ると指数関数型の閾値則が得られる事が量子力学的計算から明らかになった。また2つの電子間のエネルギー分配に関しての新しい知見が得られた。またZ=1/4の水素型原子と電子の1次元散乱のモデルでは、イオン化閾値のすぐ上のエネルギー領域のイオン化断面積に顕著な窪みの構造が見出された。通常所所謂閾値則は長距離型の相互作用により決まるが、これは短距離領域のダイナミックスとの関連により理解される事が、隠された交差点の理論により説明された。1995年に任意の質量比をもつ3体系の取り扱いに適した超球楕円座標(Hyperspherical Elliptic Coordinates:HSE 座標)が発見された。これについてまず、HSE座標の変数を分離することによる一般化角運動量の固有値問題の厳密解である超球楕円調和関数の性質が研究された。これはガウスの超幾何微分方程式の一般化であるHeunの微分方程式により記述されることがわかり、その構成法等が研究された。HSE座標系で明らかになった、超半径以外の2つの座標変数に関するクーロン3体系断熱ハミルトニアンの準分離性が認識された。これはクーロン3体系についてのある近似的対称性の存在を意味し、従ってこれに対応するHSE量子数をあらたに導入することが可能になった。これに基づいて収束の速い基底関数による展開が可能となり、種々の3体系基底状態の精度の高いエネルギー準位の評価が得られた。従来の超超球座標法による原子の3重励起状態の研究も行われた。これは4体系への取り扱いの端緒となる。又半サイクルパルスのもとでの原子の準安定性について、量子古典力学の双方の観点から検討された。
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