研究課題/領域番号 |
10440140
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 教授 (30126164)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 超微小硬度計 / 原子間力顕微鏡 / 鉱物 / セング率 / ダイヤモンド圧子 / 塑性変形 / 点接触変形 / ラティスクリーシング / ヤング率 / 高圧力 / 石英 / 電気石 / 紅簾石 / ビッカース圧子 / 圧痕 / 超微小硬度 / 透過型電子顕微鏡 / 高分解能電子顕微鏡法 / 塑性流動 / 脆性破壊 / ビッカース硬度 / 斜長石 / ざくろ石 / 方解石 |
研究概要 |
超微小硬度計(ライダー1)は、固体表面にピラミッド型をしたダイヤモンド圧子を押しつけて点接触変形を起こし、加えた荷重と圧子の変位を精密に読みとる装量である。これを利用して鉱物の弾性・塑性的性質や破壊特性などを知ることができる。本研究では、石英・方解石・電気石・紅簾石・藍閃石について実際に圧子を押しつけて点接触変形が起こることを確認した。点接触変形部には異常な高圧(下部マントルに匹敵する圧力)が加わることもわかった。石英・紅簾石・藍閃石についてオリパーファー法で求めた弾性定数(ヤング率)の値はそれぞれ14.7、37.1、46GPaである。オリバーファー法の正否について論争があるので、この数値の信憑性については今後の研究を待たねばならない。石英について点接触変形部を原子間力顕微鏡で観察した結果、破壊を起こさず塑性流動していることがわかった。さらに透過電子顕微鏡で観察し、転位が存在していないことがわかり、通常の塑性変形でないことに気がついた。点接触変形部の高分解能電子顕微鏡像を撮ることに成功し、格子が不規則にずれていることがわかった。この変形メカニズムをlattice creasingと名付けた。点接触変形した石英に対して1規定のフッ化水素でエッチングを行った。溶解は点接触変形部でだけ進行し、それ以外の部分では何も起こらなかった。これは変形メカニズムと深く関わっていることが想像される。すなわち変形部の格子配列は非変形部と異なっており、溶解しやすい状態になっていると思われる。本研究によって点接触変形の特殊性を理解することができ、今後の岩石・鉱物の変形現象の微小スケールでの研究方法に対する基本的着想を得ることができた。
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