配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
本研究では,ストップトフローATR赤外測定装置の開発およびオキシエチレン系化合物の組織化液体の構造ダイナミックスとコンホメーションの研究を行った。 時間分解赤外分光法として,ストップトフローATR法を採用した。この方法の重要性は従来から認識されていたが,そのための測定装置は現在までに開発されておらず,本研究において新たに作製した。ストップトフローATR赤外測定装置の開発は,日本分光株式会社の協力のもとで行った。本報告書作成の時点においては,本装置の調整および試験を行っており,実際の試料の測定には至っていない。今後,本装置を用いてオキシエチレン系水溶液を対象に時間分解赤外分光測定を行う。 組織化液体の構造ダイナミックスの研究として,次の課題について成果を得た。FTIR-ATR法による水溶液中の15-クラウン-5および18-クラウン-6の水和の研究,重水素核磁気共鳴法による非イオン界面活性剤C_<12>E_3のラメラ相におけるアルキル鎖のコンホメーションダイナミックスの研究,ラマン分光法による1,2-ジメトキシエタンの液体および水溶液中におけるコンホメーションの研究,ラマン分光法による短鎖ポリオキシエチレンの水溶液中における変則的コンホメーション挙動の温度依存性の研究,クロロホルム溶液中のエチレンジオキシエーテルが形成する分岐型水素結合の研究,高濃度水溶液中の1,2-ジメトキシエタンの水素結合と水クラスター形成の研究,ラマン分光法による非イオン両親媒性分子水溶液中の水和挙動の研究。 これらの研究成果は,組織化液体の機能発現機構を解明するうえで極めて重要である。
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