研究課題/領域番号 |
10440177
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
本間 健二 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (30150288)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 有機金属化学 / 遷移金属原子 / ポテンシャル局面 / 有機金属科学 / ポテンシャル曲面 |
研究概要 |
遷移金属原子は有機金属化学反応にとって非常に重要な役割を果たしている。本研究は、この遷移金属原子と反応分子の相互作用を実験的に解明することを目的として、次の二つの方法で研究を行った。 1.気相遷移金属原子と簡単な分子の反応速度定数を、金属原子の電子状態を選別して測定し、電子配置・スピン多重度・電子状態・電子エネルギーなどと反応性の関係を明らかにした。本研究では、第1列遷移金属原子(Ti、V、Cr、Co、Ni)について、その基底状態と2,3の電子励起状態と、酸素原子を含む分子(O_2、NO、N_2O)および炭化水素分子(CH_4、C_2H_6、C_2H_2、C_2H_4、C_3H_6)との反応を測定した。これらの測定により、最外殻s軌道の占有数が反応性と大きな関連を持つこと、酸化反応ではイオン性のポテンシャル面が重要な役割を果たすことなどが明らかになった。 2.1.のような定性的な情報にとどまらず、より定量的なポテンシャルに関する情報を得るために、金属原子-分子の錯体についてその電子スペクトルの観測・解析を行った。Ni・Rg(Rg=Ar、Kr)については励起状態のポテンシャル定数が決定され、また、発光スペクトルを解析することから電子励起状態の動的な挙動も解明された。この方向は、今後反応性分子との錯体へと研究を発展させる予定である。 以上の研究によって、遷移金属原子と分子の相互作用ポテンシャルは非常に複雑で、交差・非交差がそのダイナミクスを支配していることが明らかになった。
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