研究課題/領域番号 |
10440188
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 賢一 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026358)
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研究分担者 |
岡崎 隆男 京都大学, 工学研究科, 助手 (90301241)
北川 敏一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20183791)
木下 知己 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10026289)
大賀 恭 大分大学, 工学部, 助教授 (60252508)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | ソルボリシス / カルボカチオン / カルボアニオン / 反応速度 / 溶媒効果 / 疎水性効果 / 炭素-炭素結合イオン解離 / ブロモアダマンタン / 炭素炭素結合イオン解離 / トロピリウムイオン / カルボカチオン中間体 / 塩化アルキル / 立体効果 / ハメット則 |
研究概要 |
(1)カルボカチオンの発生過程の特異的溶媒効果に関する研究 ソルボリシスの速度を支配する溶媒極性効果は、GrunwaldとWinsteinによる直線自由エネルギー関係則として整理されてきた。しかし、本研究では、嵩高い炭化水素基をもつ基質が、エタノール・水系に代表される一般的な水性有機溶媒中で異常に遅い速度と曲線関係を与えることを見つけ、その原因が溶媒の疎水性効果にあることを指摘した。 (2)カルボカチオンの反応過程の特異的溶媒効果と応用に関する研究 かご形橋頭化合物から生じる橋頭カチオンから他の橋頭位のプロトンが脱離して、プロペラン型生成物が生じる脱離反応の最初の例を見つけた。この反応は溶媒の塩基性の影響を顕著に受け、酸性溶媒中では起こりにくく、しかもいわゆるケトカチオンに特有であることが明らかにされた。 (3)炭素-炭素結合のイオン解離における特異的溶媒効果に関する研究 安定な炭化水素アニオン種t-BuC_<60>^-と置換シクロプロペニリウムイオン類R^+から一連のフラーレン誘導体t-BuC_<60>Rを新規に合成した。これらの炭化水素はTHF溶媒中、少量のDMSOの添加によりイオン解離してt-BuC_<60>^-を発生しDMSO分子のルイス塩基的な特殊溶媒和がイオン解離を促進していることを明らかにした。 (4)炭化水素アニオンの安定性に対する特異的溶媒効果に関する研究 シクロペンタジエニドイオンの安定性が、アルキル置換基や縮合芳香環を導入すると気相中では増大するのに対し、液相中では減少する傾向を見い出した。両相中の安定性から、溶液中でシクロペンタジエニドイオンが溶媒分子から受ける溶媒和安定化効果を初めて定量的に評価し、この効果に対するアルキル置換基や縮合芳香環の抑制効果を定量化した。
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