研究課題/領域番号 |
10440200
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
竹田 満洲雄 東邦大学, 理学部, 教授 (80011633)
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研究分担者 |
北澤 孝史 東邦大学, 理学部, 助教授 (60246767)
高橋 正 東邦大学, 理学部, 助教授 (30171523)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | メスバウアー分光 / ガドリニウム / エルビウム / 無機構造化学 / スピン-スピン緩和 / 電場勾配 / ガドリニウム錯体 / ^<155>Gdメスバウア分光 / ガドリニウム複酸化物 / 蛍石型構造 / パイロクロア型構造 / c-type型構造 / ^<155>Gdメスバウアー分光法 / ガドリニウム化合物 / エルビウム化合物 / ^<166>Erメスバウアー分光法 / メスバウアー分光法 / 緩和時間 |
研究概要 |
ランタノイド元素のメスバウアー効果は14元素について観測が可能であるが、そのほとんどが^<151>Euに関するものである。それは、ほかのものでは測定のためにメスバウアー線源を自作しなければならなかったり、線源と試料をともに液体ヘリウム温度近くに冷却しなければならなかったりという困難を伴うからである。しかし、我々は^<155>Gdと^<166>Erの良質なメスバウアー線源を原子炉の中性子照射を利用して作製することに成功した。 GdとErの錯体、固溶体、金属間化合物および複酸化物等種々の化合物系についてメスバウアー分光を12Kでした結果、^<155>Gdでは四極結合定数(e^2qQ)が、^<166>Erでは、有効内部磁場(H_<eff>)とスピン-スピン緩和時間(τ)の決定に有効であることを明らかにした。 (1-X)ZrO_2-xGdO_<1.5>のe^2qQはxの増加とともに0.18≦x≦0.50の組成領域で増え、0.50<x≦0.62の組成領域ではやや減少する傾向が見られ、x=0.5のパイロクロア型構造の時に最大値を示し、電荷分布の非対称性が一番大きいことがわかった。本系に置けるe^2qQの変化と(1-y)ZrO_2-yEuO_<1.5>系の異性体シフト(δ)の変化が対応している事は興味深い。この関係はM-O(M=Eu,Gd)結合距離の変化で説明されると思われる。 Gd(III)-β-ジケトン錯体のδは約0.54mms^<-1>から0.65mms^<-1>の間にあり、δの分布領域が狭いことがわかった。更に、δはGdO_<6.7or8>>GdN_2O_<6or7>>GdN_6O_2の順に小さくなる傾向が見られた。Gdに配位する窒素原子の数が増えるとδが小さくなるようである。 Er(III)-β-ジケトン錯体に関して、同様の7配位構造をとると推定される一水和物のメスバウアースペクトルの緩和時間を比較してみたところ、配位子の嵩高さが大きくなると緩和時間が長くなっていることがわかった。これは同じ7配位で、配位子が嵩高くなると、Er^<3+>スピン間の距離が長くなるとして説明される。
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