配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
1.従来もっぱらBeckmann転位反応に利用されてきたオキシム類の新しい反応を見いだし,これらにもとづいて複素環式化合物の合成,アミノ化反応を開発することができた。オキシム酸素原子上を適切な脱離基に変換して求核剤を作用させると,Beckmann転位を起こすことなく,窒素原子上で求核置換反応が進行することを明らかにした。また,この反応によって種々の環状イミンやキノリンを合成することができ,オキシム化合物が有機金属試薬の優れた求電子的アミノ化剤となることを明らかにした。さらに,オキシム類を一電子還元すればアルキリデンアミニルラジカル種が生成することも見出し,分子内のアルケン部位への付加反応が進行することを明らかにした。この反応を利用して,キノリン,ピロール,カルボリン類などの多様な含窒素複素環化合物を合成することができた。一方,オキシム類にパラジウムなどの遷移金属錯体を作用させるとオキシムの酸化的付加によって,アルキリデンアミノ金属種が生じることを見いだし,これを鍵中間体とする分子内Heck型反応によって,ピロール,ピリジン,1-アザアズレンやスピロイミン類などの複素環式化合物を合成することに成功した。 2.シクロヘキサジエノン鉄カルボニル錯体およびその誘導体と有機高次銅試薬から,メタ-アシルアニリンやメタ-アシルフェノール誘導体,メタ-アシル置換アルキルベンゼン類を合成できることを明らかにした。通常アルキル置換ベンゼン類をFriedel-Crafts反応によりアシル化すると,パラ,あるいはオルト置換体が得られることと対照的であり,新たな合成手段を提供することができた。
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