研究課題/領域番号 |
10440221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舟橋 重信 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022700)
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研究分担者 |
稲田 康宏 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60242814)
高木 秀夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70242807)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 金属イオン / 動的分析化学 / 溶媒和構造 / 錯形成反応機構 / 不安定中間体 / ストップトフロー装置 / ポルフィリン / 迅速反応 / 速度論的分析法 / 外圈型電子移動反応 / 不安定短寿命中間体 / 金属ポルフィリン錯体 / 超臨界二酸化炭素 / 動態解明 / 混合溶媒和化学種 / 外圏型電子移動反応 / 不安定短寿命反応中間体 / 溶媒交換反応 / シクロパラデーション反応 / メタロポルフィリン / 短寿命反応中間体 |
研究概要 |
時間軸を入れた分析を用いることによって分析感度や選択性を高めたり、機構や反応性のキーポイントになる不安定短寿命中間体を検出・分析するといった「動的分析化学」と言える新しい分野を開拓することを目的とする。このため、溶液内分析化学反応の機構論的研究を系統的に遂行した。 (1)金属イオンの溶媒和構造と反応性との関係:(a)EXAFS法を用いて溶媒構造を決定した。(b)NMR法を用いて溶媒交換反応速度を測定した。(c)非経験的分子軌道計算法を用いて水交換反応の遷移状態を解析した。これらの結果から溶媒や金属イオンの大きさと反応機構との関係を解明した。 (2)立体特性を持つ配位子との錯形成反応機構:(a)SAT錯体の生成機構と脱プロトン反応機構を解明し、金属ポルフィリン錯体の生成反応機構を統一的に解明した。(b)有機スズの光分解反応の機構、(c)ホウ酸のポリオール錯体の金属イオン取り込み機構、(d)シクロパラデーション反応の機構、(e)ベリリウム(II)イオンの錯形成反応機構を解明し、溶媒の大きさや塩基性との関係、キレート効果、圧力効果を解明した。 (3)外圏型電子移動反応と酸化還元反応の機構:金属(II/III)錯体間の外圏型電子移動反応速度を系統的に研究し、内配位圏の構造変化が律速となる機構、いわゆる「ゲート機構」を詳細に解明した。 (4)不安定中間体の検出と解析:(a)レーザー光によって誘起される有機スズ化合物の光分解反応や超臨界二酸化炭素中における熱異性化反応の機構を解明した。(b)超臨界二酸化炭素中で、ポルフィリン錯体生成の外圏会合体の検出に成功した。(c)アセトニトリル中でSAT中間体を検出し、その構造を決定した。 (5)動的分析化学のための方法論の開発:(a)時間分解ストップトフローEXAFS法を開発した。(b)超臨界二酸化炭素流体中における金属錯体の溶解度や電子スペクトルが測定できるセル、迅速反応が追跡できるストップトフロー装置、誘電率変化が測定できる高周波分光装置を開発した。(c)加速フロー装置を試作し、通常のストップトフロー法では測定できない速い反応を追跡可能にした。 以上のような研究成果から動的分析化学の一つの方向を示すことができた。
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