研究課題/領域番号 |
10440230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 北海道大学 (2000) 東京大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
大原 雅 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (90194274)
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研究分担者 |
高田 壮則 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (80206755)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 遺伝的変異 / エンレイソウ属植物 / 個体群統計学 / 森林分断化 / 長期センサス / 林床植物 / 森林孤立化 / 交配様式 / 遺伝的多様性 |
研究概要 |
本研究(平成10〜12年度)は、「孤立林」の林床に生育する草本植物集団を対象に、繁殖率・死亡率などの個体群動態に関する情報と遺伝的組成に関する情報を評価し、コンピューター・シミュレーションにより集団を維持するために必要な集団サイズを定量的に推定することを目的として行った。 野外調査および解析は、エンレイソウ属植物を中心に行った。まず、道東地方のオオバナノエンレイソウに関して、集団のサイズならびに開花個体密度の異なる集団を選択し、野外において除雄処理や強制受粉などの交配実験を行うとともに柱頭への他花花粉の到達量を調査を行った。その結果、オオバナノエンレイソウの繁殖成功と集団サイズ・開花個体密度が密接に関連していることが示された。さらに、これらの集団を対象にアイソザイム遺伝子(6酵素11遺伝子座)を指標とした遺伝解析を行った。その結果、各集団において観察された多型遺伝子座の割合(P),遺伝子座当たりの対立遺伝子数の平均値(A)は、集団サイズと強い正の相関関係を示し、小集団において遺伝的変異量が失われている傾向が見い出された。 一方、長期センサスデータにもとづく数理解析に関しては、Alvarez-Buylla & Slatkin(1991)の定式化にしたがって、エンレイソウおよびオオバナノエンレイソウに対して、個体群成長率の平均と分散を求め、それをもとに将来の個体数の増加減少を確率的に予測した。その結果、エンレイソウの個体群成長率の分布の平均値はオオバナノエンレイソウよりも低く、平均行列によって求められた個体群成長率とは逆の関係を示すこと、エンレイソウの個体数が50年後に初期個体数の30%以下に減少する確率は75.6%であるのに対して、オオバナノエンレイソウのその確率は0%であることが明らかになった。
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